プログレスM-13

プログレスM-13

プログレスM-13は、1992年にロシア連邦によって運用された無人の宇宙補給船です。この機体の主たる目的は、当時地球軌道上にあったソ連/ロシアの宇宙ステーション、ミールへ必要な物資を届けることでした。ミールへの物資輸送任務を担ったプログレス補給船は合計で64機ありますが、プログレスM-13はその中で31番目の飛行にあたります。機体そのものの形式はプログレス-M型（公式な識別番号は11F615A55）として製造され、個体識別番号であるシリアル番号214が付与されていました。

搭載物資

プログレスM-13の貨物区画には、ミールに滞在していたEO-11ミッションの宇宙飛行士たちのための生活物資が積載されていました。具体的には、長期滞在に必要な食料、飲料水、そして呼吸用の酸素といった生命維持に不可欠なものが運ばれました。これらに加え、宇宙での様々な科学実験を実施するための研究機材や物品も搭載されていました。さらに、宇宙ステーション自体の姿勢を調整したり、軌道を微修正したりするために使用される推進剤（燃料）も重要な貨物として運ばれました。

運用経過

プログレスM-13の宇宙での運用は、以下の段階を経て行われました。

打ち上げ
この機体の打ち上げは、1992年6月30日、協定世界時（GMT）16時43分13秒に行われました。カザフスタン共和国内にあるバイコヌール宇宙基地の31/6番複合施設から、信頼性の高いソユーズ-U2ロケットに搭載されて軌道へと投入されました。

ミールとのドッキング
軌道に到達したプログレスM-13は、宇宙ステーションであるミールへのランデブー飛行を開始しました。最初のドッキング試みは打ち上げから約2日後の7月2日に行われましたが、この試みは残念ながら成功しませんでした。最初の試みが失敗した後、運用管制官は機体を再設定し、再びドッキングシーケンスを実行しました。その結果、最初の試みからさらに2日後の1992年7月4日、協定世界時12時38分に、プログレスM-13は無事にミール宇宙ステーションとのドッキングを成功させました。ドッキング先は、ミールの中核モジュールであるコアモジュールの前方側に設けられたポートでした。

ドッキング期間
プログレスM-13がミールに結合していた期間は、合計で19日間でした。このドッキング期間中、ミール宇宙ステーションは地球の周回軌道を高度約387kmから410kmの間で飛行しており、軌道の傾斜角は51.6°を維持していました。

ドッキング解除
ドッキング期間を終えたプログレスM-13は、次にミールへ到着予定であった有人宇宙船ソユーズTM-15のために、ドッキングポートを明け渡す必要がありました。このため、1992年7月24日、協定世界時4時14分0秒にミールからドッキングを解除し、分離しました。

* 大気圏再突入と処分
ミールから分離されたプログレスM-13は、その任務を完了しました。残存した機体は、管制官の指示によって徐々に軌道を下げられました。ドッキング解除から数時間後、協定世界時8時3分35秒ごろ、プログレスM-13は地球の大気圏に再突入し、その過程で燃え尽きて破壊されました。機体の残骸は、太平洋上の安全なエリアに落下したと考えられています。

プログレスM-13は、1992年という年に宇宙で行われた多くの活動の一つであり、またミール宇宙ステーションへの無人補給飛行の一覧にも含まれる重要なミッションでした。その詳細な記録は、その後の宇宙ステーション運用や無人補給技術の発展に貢献しています。

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