プログレスM-18M

プログレスM-18M (Прогресс М-18М)

プログレスM-18Mは、ロシア連邦宇宙局が開発・運用する無人宇宙補給船、プログレスシリーズに属する機体です。そのロシア語名称は「Прогресс М-18М」と記されます。国際宇宙ステーション（ISS）への重要な物資輸送ミッションを担い、2013年に運用されました。この機体は、米国航空宇宙局（NASA）や宇宙航空研究開発機構（JAXA）からは、それぞれプログレス50または50Pという識別名称でも呼ばれています。

特徴的な運用方式

プログレスM-18Mのミッション遂行において、特に注目されたのは、ISSへのランデブー及びドッキングに至るまでの時間短縮化です。このミッションでは、プログレスM-16MやM-17Mといった先行するミッションで既に試験・採用されていた、軌道投入からわずか4周回という短い時間でISSに到達する「急速会合方式」が採用されました。この方式は、宇宙飛行士の作業負荷軽減や、生鮮品などの物資をより早くISSに届けることができるといった利点があります。

ミッション遂行

プログレスM-18Mの宇宙への旅は、2013年2月11日に始まりました。カザフスタン共和国に位置するバイコヌール宇宙基地から、グリニッジ標準時（GMT）14時41分にソユーズ-Uロケットによって打ち上げられました。

打ち上げ後、プログレスM-18Mは計画通りに軌道へ投入され、急速会合方式によってISSへの接近を開始しました。そして、打ち上げからわずか6時間足らずという驚異的な短時間で、ISSに到達しました。具体的には、GMT 20時35分にはISSの「ピアース」モジュールに設けられたドッキングポートへの接合が完了しました。これは、ISSへの「同日ランデブー」、すなわち打ち上げられたその日のうちにドッキングを完了するという、技術的に高度な運用として3回目の成功事例となりました。

プログレスM-18Mは、約5ヶ月間にわたりISSにドッキングした状態で、ステーションの運用を支える役割を担いました。その後、その役目を終え、2013年7月25日にISSからドッキングを解除されました。大気圏への再突入は、同日23時53分ごろに予定されており、その後、機体の大部分は燃え尽き、残りの破片は翌26日までに所定の海域へ落下しました。

搭載された貨物

ISSへの補給ミッションとして、プログレスM-18Mは多岐にわたる重要な物資を運びました。主な搭載貨物は以下の通りです。

推進剤: 346 kg
空気（酸素など）: 50 kg
水: 420 kg
ドライカーゴ: 1360 kg

ドライカーゴには、ISSで活動する宇宙飛行士のための予備資材、様々な科学実験に使用される科学用品、およびその他の運用に必要な補給品などが含まれていました。これらを合計すると、プログレスM-18Mは約2176 kgの物資をISSへ届けたことになります。これらの物資は、ISSにおける長期滞在や科学研究活動の維持に不可欠なものでした。

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