プログレスM-44

プログレスM-44

概要

プログレスM-44は、国際宇宙ステーション（ISS）で活動する宇宙飛行士の生命維持や、科学実験の継続に不可欠な物資を届けるために、2001年にロシア連邦宇宙局によって運用された無人宇宙補給船です。この機体はプログレス補給船ファミリーの一つであり、特にプログレス-M (型式番号11F615A55)に分類されます。製造された際のシリアル番号は244番でした。アメリカ航空宇宙局（NASA）では、識別名として「Progress 3」または「3P」とも呼称していました。

プログレスM-44が特筆される点として、これはプログレス-M型としては初めてISSにドッキングを成功させた機体であるということです。それ以前のISSへの物資輸送ミッションでは、主に改良型のプログレス-M1型が投入されていました。プログレス-M型のISSへの初飛来は、補給船の運用体制における重要な一歩となりました。

運用実績

プログレスM-44の打ち上げは、2001年2月26日、協定世界時（GMT）午前8時9分35秒に行われました。打ち上げにはソユーズ-Uロケットが使用され、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の1/5発射台から宇宙へと旅立ちました。地上からの打ち上げに成功したプログレスM-44は、ISSへの軌道投入に続きました。

打ち上げから約2日後の2001年2月28日、協定世界時午前9時49分47秒に、プログレスM-44はISSへのドッキングに成功しました。ドッキング先は、ISSのロシア区画にあるズヴェズダモジュールのAftポート（後方ポート）でした。無事にドッキングを終えたプログレスM-44は、その後約1ヶ月半にわたりISSに結合された状態で、積んできた補給物資をISSクルーへと届けました。

ISSでの任務を終えたプログレスM-44は、2001年4月16日にISSから分離されました。ドッキング解除は協定世界時午前8時48分に行われました。ISSから離れた後、プログレスM-44は軌道離脱のプロセスを開始しました。同日午後1時23分（GMT）に軌道から離脱するための噴射が行われ、地球の大気圏へと再突入する経路に入りました。

通常、補給任務を終えた無人宇宙船は、軌道離脱後に大気圏で燃え尽きさせることで、スペースデブリの発生を防ぎます。プログレスM-44も例外ではなく、大気圏への再突入時に機体の大部分が燃焼しました。燃え残りは、同日午後2時11分頃（GMT）に太平洋上の予定された海域に落下しました。これにより、プログレスM-44によるISSへの補給ミッションは完了しました。

搭載物資

プログレスM-44がISSに到着した時期は、第1次長期滞在クルーがISSに滞在している最中でした。この機体は、当時の第1次長期滞在クルー、そして引き継ぎで滞在を開始する第2次長期滞在クルーが利用するための様々な物資を搭載していました。

具体的には、宇宙空間での長期滞在に不可欠な食料品、飲料水、そして呼吸に必要な酸素などが含まれていました。また、ISSで行われる様々な科学実験や研究活動に使用される装置類や消耗品なども運びました。プログレス補給船は、ISSの持続的な運用と、そこで行われる科学研究を支える上で、非常に重要な役割を担っています。

関連項目

2001年の宇宙飛行
国際宇宙ステーションへの無人宇宙飛行の一覧

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