プログレスM-48

プログレスM-48

プログレスM-48は、ロシア連邦宇宙局（現ロスコスモス）によって開発・運用された無人の宇宙補給機です。国際宇宙ステーション（ISS）への重要な物資輸送を担うプログレス補給船シリーズの一つとして、2003年に打ち上げられました。NASAにおいてはProgress 12あるいは12Pという名称でも知られています。本機はプログレス-M型（詳細型式11F615A55）として製造され、シリアル番号248番が付与されていました。その主な任務は、ISSに滞在する宇宙飛行士のために必要な物資を届け、ステーションの維持・運用を支援することでした。

運用ミッションの詳細

プログレスM-48の宇宙への旅は、2003年8月29日、協定世界時（GMT）午前1時47分59秒に開始されました。カザフスタンのバイコヌール宇宙基地に設置された1/5発射台から、信頼性の高いソユーズ-Uロケットに搭載されて打ち上げられました。打ち上げは成功し、予定された軌道に投入されました。

その後、プログレスM-48はISSへのランデブー飛行を開始しました。打ち上げから約2日後の2003年8月31日、GMT午前3時40分45秒に、ISSのロシア側モジュールであるズヴェズダのAftポート（後方結合部）へのドッキングに成功しました。これにより、機内に搭載された物資のISSへの移送が可能となりました。

本機は、およそ5ヶ月間にわたりISSにドッキングした状態を維持しました。この期間中、ISSの姿勢制御や軌道修正にもその推進システムが利用されたと考えられます。補給任務を終え、次のプログレス補給船であるプログレスM1-11の到着に備えるため、プログレスM-48はISSからのドッキングを解除することになりました。ドッキング解除は、2004年1月28日のGMT午前8時35分56秒に行われました。

ISSから離脱した後、プログレスM-48は地球の大気圏へ再突入し、その機体を燃やし尽くす軌道へと誘導されました。軌道離脱操作は、ドッキング解除と同日のGMT午後1時11分に実行されました。太平洋上空で大気圏に突入した機体は、その大部分が燃え尽きましたが、耐熱性の高い一部の構造物などは燃え残りました。これらの燃え残りは、同年1月28日のGMT午後1時57分12秒頃、あらかじめ定められた安全な海域に落下しました。これにより、プログレスM-48のミッションは完了しました。

搭載された貨物

プログレスM-48には、当時のISS長期滞在クルー（第7次長期滞在および第8次長期滞在）が必要とする多種多様な物資が搭載されていました。具体的には、宇宙での生活に不可欠な食料品、飲料水、そして呼吸に必要な酸素といった生命維持関連物資が届けられました。これらの物資は、長期間閉鎖された環境で活動する宇宙飛行士の健康と士気を維持するために極めて重要です。

また、ISSで行われる様々な科学実験に必要な装置類や研究機材、さらにはステーションの維持・補修に必要な部品や消耗品なども運ばれました。プログレス補給船は単なる貨物船ではなく、ISSの科学研究プラットフォームとしての機能や、ステーション自体の健全な運用を維持するためのライフラインとしての役割を担っており、プログレスM-48もその重要な一端を担いました。その搭載貨物は、ISSにおける科学的な成果の創出と、宇宙空間での人類の活動を継続するための基盤を支えるものでした。

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