プログレスM-51

プログレスM-51

プログレスM-51は、国際宇宙ステーション（ISS）へ必要不可欠な物資を届けるため、ロシア連邦宇宙局によって運用された無人補給船です。NASAではProgress 16、あるいは単に16Pという呼称も用いられました。この補給船は、プログレス-M（11F615A55）という型式に属し、シリアル番号は351番でした。ISSの持続的な運用には、地球からの定期的な補給が不可欠であり、プログレス補給船シリーズはその重要な一翼を担っています。

運用履歴

プログレスM-51の宇宙への旅は、2004年12月23日22時19分34秒（GMT）に始まりました。カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の1/5発射台から、ソユーズ-Uロケットによって打ち上げられました。打ち上げ後、補給船はISSへの軌道に乗せられ、約2日間の飛行を経て目的地に到達しました。

ISSへのドッキングは、2004年12月25日23時57分45秒（GMT）に成功しました。プログレスM-51は、ISSの中でもロシア棟に位置するズヴェズダモジュールのAftポートに接続されました。ISSにドッキングしている間、プログレスM-51は補給物資の搬入場所として機能するだけでなく、ISSの姿勢制御などにも使用されることがあります。約2ヶ月間にわたりISSにドッキングを続けた後、次の補給船であるプログレスM-52の到着に備えるため、2005年2月27日16時6分30秒（GMT）にISSからドッキングを解除しました。

ISSから離れた後、プログレスM-51はその軌道を離脱するまでの間に、複数の技術試験に利用されました。これは、補給船としての主要任務を終えた機体を利用して、将来の宇宙機開発や運用に役立つデータを取得するためです。

全ての任務と試験を終えたプログレスM-51は、2005年3月9日16時17分0秒（GMT）ごろに軌道からの離脱を開始しました。大気圏に再突入した機体は、その大部分が空力加熱によって燃え尽きました。燃え残った機体の一部は、同日17時3分11秒（GMT）ごろ、人里離れた太平洋上の海域に落下しました。これは、補給船の一般的な廃棄方法であり、地球への影響を最小限に抑えるための措置です。

搭載物資

プログレスM-51は、ISSに滞在する宇宙飛行士の生活と科学研究を支えるための多岐にわたる物資を搭載していました。具体的には、宇宙飛行士の生存に不可欠な食料、飲料水、呼吸用の酸素といった生活必需品が含まれていました。さらに、ISSで行われる様々な科学実験や研究活動に必要な装置類、実験サンプル、その他消耗品なども運ばれました。これらの物資は、ISSでの長期滞在を可能にし、宇宙空間での貴重な研究成果を得る上で極めて重要な役割を果たしました。

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