プログレスM-59

プログレスM-59

プログレスM-59は、ロシア連邦宇宙局が開発・運用する無人宇宙補給船、プログレスシリーズの一機です。この機体は、国際宇宙ステーション（ISS）で長期滞在する宇宙飛行士たちの生活や研究活動を支えるため、必要な物資を軌道上の基地へ送り届ける目的で打ち上げられました。NASAでは、この特定のミッションを「Progress 24」あるいは「24P」と呼称しています。プログレス-M型（正式名称：11F615A55）に分類される機体であり、シリアル番号は359番が付与されていました。

運用詳細

プログレスM-59の宇宙への旅は、グリニッジ標準時（GMT）で2007年1月18日2時12分13秒に始まりました。打上げに使用されたのは、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の1/5発射台です。信頼性の高いソユーズ-Uロケットによって、この補給船は地球低軌道へと投入されました。

打上げから約2日後の2007年1月20日1時59分（GMT）、プログレスM-59は無事に国際宇宙ステーションに到着し、ステーションのロシア側モジュールであるピアース（Pirs）に自動ドッキングを成功させました。ISSとの結合はその後約5ヶ月間にわたり維持され、この期間中に搭載されていた様々な物資がステーション内に運び込まれました。

ISSでの任務を終えたプログレスM-59は、不要になった機器や廃棄物を搭載したまま、2007年8月1日14時7分（GMT）にピアースモジュールからドッキングを解除されました。ステーションを離れた後、この補給船は制御された軌道離脱手順に入りました。同日の18時42分（GMT）に最終的な軌道離脱マヌーバが実行され、大気圏への再突入経路に乗りました。大気圏を通過する際に機体の大部分は燃え尽きましたが、燃え残りが発生した場合に備え、航行に影響のない太平洋上の予定された海域へ落下するよう軌道が計算されていました。その落下は同日の19時26分（GMT）ごろに完了したとみられています。

搭載物資

プログレスM-59がISSへ輸送した貨物は多岐にわたりました。宇宙飛行士たちがISSで生活するために不可欠な食料、飲料水、呼吸に必要な酸素ガスといった基本的な消耗品が大量に積み込まれていました。これらは長期にわたる宇宙滞在において、クルーの健康維持と生存に直結する最も重要な物資です。加えて、ISSで行われる様々な科学研究や実験に必要な装置類や試料も搭載されていました。さらに、国際宇宙ステーションの各システム、特に生命維持装置やその他の重要な機器の維持管理に必要な部品や資材も含まれており、ISSの円滑な運用を継続するために欠かせない補給任務を果たしました。

このミッションによって運ばれた物資は、当時のISSにおける活動を支え、軌道上での科学研究や技術開発に貢献しました。プログレスM-59は、その運用を無事に終え、ISSへの重要な物流ルートの一端を担いました。

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