プログレスM1-8

プログレスM1-8

プログレスM1-8（Progress M1-8）は、ロシア連邦宇宙局が開発・運用する無人宇宙補給船「プログレス」シリーズのうちの一機です。2002年に国際宇宙ステーション（ISS）への物資輸送ミッションのために使用されました。技術的にはProgress-M1の改良型（バージョン11F615A55）に分類され、個体識別番号は257番でした。NASAにおいては、ISSへの補給フライトの連番として「プログレス7」（略称7P）という名称が与えられました。

この補給船の主な役割は、ISSに滞在する宇宙飛行士たちの生命維持に必要な物資や、科学実験を進める上で欠かせない装置・資材などを地球から軌道上のステーションへ届けることでした。

飛行経過

プログレスM1-8は、協定世界時（GMT）2002年3月21日の20時13分39秒に、カザフスタン共和国内にあるバイコヌール宇宙基地の1番射点から、ソユーズ-Uロケットに搭載されて宇宙へ向けて旅立ちました。

軌道投入後、ISSへの自動操縦による接近作業が行われ、打ち上げから約3日後のGMT 2002年3月24日20時57分56秒に、ISSのロシア区画にある「ズヴェズダ」サービスモジュールへ無事にドッキングを完了しました。

ISSと結合している間、プログレスM1-8は文字通り「宇宙の倉庫」として機能し、内部に搭載された食料、飲料水、呼吸用の酸素、そして多岐にわたる科学研究用の装置やスペアパーツなどがISSクルーによって運び出されました。これらの物資は、ISSでの長期滞在および継続的な研究活動を支える上で不可欠でした。

プログレスM1-8は、約3ヶ月間にわたりISSにドッキングした状態を維持しました。この期間中、補給船の推進システムがISSの軌道修正に使用されることもありました。

任務の終了

ISSでの補給任務を終えたプログレスM1-8は、次のプログレス補給船（プログレスM-46）が同じポートを使用できるようにするため、ISSから分離する準備に入りました。GMT 2002年6月25日の8時26分30秒に、ISSから正常にドッキングを解除しました。

分離後、プログレスM1-8は制御された軌道離脱プロセスへと移行しました。同日GMT 11時35分00秒に、機体は地球への帰還、すなわち大気圏再突入を開始するための最終的な噴射を行いました。大気圏へ突入した機体は、断熱圧縮と空気抵抗により発生する極度の熱によってそのほとんどが燃え尽きました。

完全に燃え尽きずに残った一部の比較的頑丈な部品は、事前に計画された通り、同日GMT 12時26分52秒頃に太平洋上の広大な海域へ落下しました。これにより、プログレスM1-8によるISSへの補給ミッションは全て完了しました。

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