プロゴフ

プロゴフ：自然と歴史が織りなすブルターニュのコミューン

プロゴフ（Plogoff）は、フランスのブルターニュ地域圏、フィニステール県に位置する魅力的なコミューンです。ブルトン語ではPlougoñと表記され、その-ffは古い二重音字に由来し、ブルトン語のñを置き換えたもので、先行母音の鼻音化を示しています。地名のPlougoñは「小さな教区」を意味するplouと聖人の名を組み合わせたものです。

ラ岬：プロゴフの西端に位置する景勝地

プロゴフの西端にはラ岬が位置し、ラ・ド・サンに向かって伸びています。岬には古い灯台が立ち、かつては腕木通信も行われていました。また、コミューンには小型船のみがアクセスできる3つの小さな港があります。

プロゴフ事件：原子力発電所建設計画と住民の抵抗

1970年代後半、フランス政府はプロゴフに原子力発電所の建設を計画しました。しかし、この計画はプロゴフ住民をはじめ、ブルターニュ地域圏、そしてフランス全土の反原発支持者から強い反対を受けました。反対運動は激化し、1980年には暴力的な衝突も発生しました。

プロゴフ事件として知られるこの反対運動は、1970年代のフランスにおける原子力政策に対する重要な転換点となりました。1981年にフランソワ・ミッテランが大統領に就任すると、彼はプロゴフを環境保護の象徴と位置づけ、原子力発電所建設計画を撤回しました。

原発建設計画への反対運動は、数々の書籍や映画の題材となり、その歴史は語り継がれています。

現在のプロゴフ：経済と観光

現在のプロゴフは、沿岸漁業、農業、伝統的なビスケット製造、そして観光が主要な産業となっています。1970年代にラ岬に建設されたショッピングセンターは取り壊され、代わりに新しいレセプション・エリアが設けられました。現在は協同組合が管理しています。

プロゴフは、その美しい自然、豊かな歴史、そして住民の不屈の精神が融合した魅力的なコミューンです。原子力発電所建設計画に対する住民の抵抗運動は、フランスの環境保護運動史に名を刻み、その精神は今もプロゴフの人々に受け継がれています。

もう一度検索