プロジェクトA子

『プロジェクトA子』の概要

『プロジェクトA子』は、1986年6月21日に松竹富士系で公開された創映新社製作のアニメ映画です。この作品は、学園を舞台にしたバイオレンスギャグであり、続編もOVAとして制作されました。

本作の制作には特定のシナリオライターがいなかったため、監督の西島克彦と作画監督の森山ゆうじが共同でストーリーの一部を練り上げました。森山が絵コンテを描きつつ、西島がその進行をチェックする形で制作が進められました。元々、『くりいむレモン』の一作品として企画が始まったため、初期の脚本には濡れ場が含まれていました。音楽はアメリカのスタイルが取り入れられ、ロサンゼルスで録音されました。リッチー・ジトーやジョーイ・カーボーンが参加し、話題を呼びました。映画のタイトルは、ジャッキー・チェンの映画『プロジェクトA』から取られています。

ストーリーの紹介

物語は200X年の東京が舞台で、過去の隕石落下による大破壊から復興が進んだ頃のことです。女子高校・グラビトン学園に二人の少女、摩神英子（A子）と寿詩子（C子）が転校してきます。A子は特殊なパワーを持つ少女であり、C子は明るく子供のような性格の持ち主です。クラスメイトの大徳寺美子（B子）は、C子に魅了され、A子との関係を巡って争いを繰り広げることになります。

物語は、A子とB子がC子を巡って対立するところからスタートし、次第に巨大宇宙船が地球に飛来するというSF的な展開へと進展していきます。彼女たちの冒険は学園から街、さらには宇宙へと広がり、それに伴い様々なキャラクターが登場します。

続編では、宇宙船の墜落やそれに伴う陰謀、さらに新たな恋愛模様が描かれ、最終的には地球への巨大宇宙船の攻撃といった壮大な展開が待っています。

登場キャラクターとその役割

主要キャラクターには、摩神英子（A子）、大徳寺美子（B子）、寿詩子（C子）がいます。

• - 摩神英子（A子）は、異常な怪力を持つ少女で、前の学校でのトラブルを経て転校してきます。強さを活かした振る舞いをしながらも、どこか常識的な面も持っています。

• - 大徳寺美子（B子）は、富豪のお嬢様で、グラビトン学園の生徒会長を務めています。A子との対立を通じて成長し、恋愛模様が複雑化するキャラクターです。

• - 寿詩子（C子）は、A子の親友であり、彼女の存在が物語に重要な影響を与えます。異星人のお姫様という秘密を抱えており、後に物語にさらなる深みを加えます。

制作の背景とその影響

『プロジェクトA子』は、制作当初から大きな注目を集め、その衝撃的な展開やキャラクター設定が多くのファンを惹きつけました。監督の西島克彦は、作品を通じて「明るく理屈の先行しないエンターテインメント」を提供しようとしたと語っています。

公開後、本作は国内外で多くの支持を受け、アメリカの漫画家がこの作品からインスピレーションを受けて新作を生み出すなど、確かな影響を与えました。アニメファンにとって、この作品は長年にわたり愛され続けています。独特のキャラクターたちやユニークなストーリー展開は、多くの言及やパロディを生むなど、日本のアニメ文化の一部として確固たる地位を築いています。

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