プロスト・グランプリ

プロスト・グランプリ（Prost Grand Prix）は、1997年から2001年にかけてフォーミュラ1（F1）に参戦していたフランスのレーシングチームです。このチームは、元F1ドライバーであり、4度のワールドチャンピオンを誇るアラン・プロストによって設立され、フランスのレーシングチームであるリジェの買収を契機に誕生しました。ミニマルな出発から数々の挑戦まで、プロスト・グランプリの歴史は多様なストーリーで彩られています。

チーム設立の背景

アラン・プロストは、現役時代から自らのF1チームを設立することを目指していました。1989年には、マクラーレン時代に同行したジョン・バーナードとともに、ルノーエンジンを搭載するチーム設立を試みましたが、資金が得られずに計画は頓挫しました。また、1991年にはトムスGBを母体にした新たなチーム設立を目指しましたが、エンジン供給をトヨタに依頼することも実現しませんでした。その後、アラン・プロストはリジェの買収を決意し、私自身がドライバーとしてテストドライブを行った後、1996年のモナコGPでのリジェの勝利によりフランス国内でのフランスチーム復権の機運が高まりました。

1997年に正式に「プロスト・グランプリ」としてF1に参戦し、プジョーとの提携を結ぶことが発表されました。その際、ゴロワーズやアルカテルなどのフランス系企業をスポンサーに迎えました。

F1での挑戦

参戦初年度の1997年には、リジェからの体制を引き継ぎ、新車JS45に無限ホンダエンジンを搭載してスタートしました。エースドライバーのオリビエ・パニスは順調な成績を収め、途中で加入したヤルノ・トゥルーリも期待に応えました。シーズン終了までに8回入賞し、コンストラクターズランキングで6位を確保する結果となりました。

1998年にはチームの特徴を示すための新車AP01が登場しましたが、期待に反し成績は下位に甘んじてしまいました。同年はプジョーエンジンを搭載しましたが、信頼性の問題に悩まされ、パニスやトゥルーリは苦戦を強いられました。コンストラクターズランキングは9位に終わり、翌1999年も結果は振るわず、チーム内の人事強化が期待されるも実態は厳しいものでした。

2000年には新たなドライバーラインナップを組みましたが、成績は振るわず、チームは最下位に沈みました。その結果、プジョーとの関係も悪化し、2001年にはシャシーAP04を使用し、セカンドドライバーを交代させるなど人事面での混乱が続きました。

チーム消滅の経緯

資金繰りが悪化し、プロスト自身はオーナーの座をディニスに譲ったものの、チームは再建の見込みが立たず、2001年11月27日に自己破産を申請しました。裁判所の管理下での新たな出資者探しの中で、一時は新たなチーム名「フェニックス・グランプリ」で参戦を模索しましたが、結局国際自動車連盟（FIA）からの承認を得られず、チームは姿を消すこととなりました。負債総額は約37億円という巨額でした。

エンジニアリングとモデル

プロスト・グランプリの車両には、アラン・プロストのイニシャルAPが付けられ、モデル番号は01から順に更新されました。1997年から2001年にかけて数々のシャシーが登場しましたが、2002年シーズンに向けての新車AP05の開発も、チームの消滅により実現しませんでした。

このように、プロスト・グランプリはアラン・プロストとフランスのレーシングシーンにおける重要な章を刻んだものの、経営面での厳しさから姿を消す結果となりました。

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