プロトン・サガ

プロトン・サガ（SAGA）

プロトンが製造・販売するサガ（SAGA）は、1985年から長年にわたり愛されている自動車モデルです。この車両は、マレーシアの国民車構想に基づいて開発され、多くのユーザーに支持されてきました。サガは初代から現在にかけて、いくつかの世代を経て進化を遂げています。

初代サガ（1985-2008年）

初代サガは1985年7月9日に市場に登場しました。この車は、マハティール・ビン・モハマド元首相が提唱した国民車構想のもと、プロトン社が初めて製造した乗用車であり、三菱自動車のランサー（ミラージュ）をもとに設計されています。エンジンは1300ccと1500ccの2種類があり、セダンタイプのボディに搭載されています。このモデルはそのデザインに個性を持たせ、フロントグリルが異なるほか、非常に強力なエアコンが標準装備されていたことが特徴的です。

サガはマレーシア政府から非常に手厚い保護を受け、輸入車に200%の関税が課せられていました。そのため、国内市場での競争力が高く、発売初年には市場占有率が50%を超える成功を収めました。さらに、イギリスやシンガポール、さらには旧ソ連諸国へも輸出を開始し、低価格市場での競争を勝ち抜きました。

初期のモデルには1300ccの「1.3S」、1500ccの「1.5S」、パワーステアリングとパワーウィンドウを装備した「1.5i」があり、1989年にはプロトン独自のデザインの5ドアハッチバック版「エアロバック」も追加されました。1992年にはデザインが大幅に変更され、「サガ・イスワラ」に名称が変更されました。これに伴う機構的な変更はほぼなく、ボディデザインやバリエーションのみの変化が見られました。

2代目サガ（2008-2016年）

23年ぶりのフルモデルチェンジを経て、2008年1月に新しいサガが正式に発表されました。この2代目は、エントリーモデルとして位置づけられたサブコンパクトセダンで、エンジンはプロトンとロータスの共同開発による1.3L・DOHC16バルブエンジンが搭載されました。さらに、2009年には1.6Lエンジンを搭載したグレードも追加され、選択肢が広がりました。

2010年末には大幅なフェイスリフトが施され、エクステリアが一新されました。ヘッドランプやバンパーデザインが変更され、内装も新しいデザインが採用されました。また、グレードも従来の3タイプから2タイプに集約され、全車種にパワーウィンドウやMP3オーディオが標準装備されました。これにより、より多くのユーザーに快適なドライブ体験を提供することに成功しました。

3代目サガ（2016年-）

2016年9月には、さらなる改良を加えた3代目サガが市場に登場しました。このモデルは、現代のニーズに応えるコンパクトかつスタイリッシュなデザインが特徴です。エンジン性能や運転の快適性が向上し、より多くの人々に支持されています。

車名の由来

「SAGA」という名称は、英語で「武勇談、冒険談、大河小説、年代記」を意味します。この名前は、サガが多くのユーザーにとって特別な物語を持つ車であることを象徴しています。

結論

プロトン・サガはその誕生以来、マレーシアの自動車業界において重要な役割を果たしてきました。各世代を通じて進化し続けるこのモデルは、今後も多くのユーザーに愛されることでしょう。

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