カマーバンド

カマーバンドについて

概要

カマーバンド（英語: Cummerbund）は、正式な場における衣服であるブラックタイスタイルの際に着用される装飾的な帯です。主に腹部に巻かれ、タキシードやメスジャケットの下に身に着けることで、フォーマルな印象を与えます。カマーバンドの主な色は黒ですが、他にも赤やオレンジといった色も見られ、特に軍服においてはそのような多様な色使いが記録されています。

起源

この帯の歴史は古く、トルコの衣服において使われていた腹部を飾るためのサッシュにまで遡ります。15世紀からはヨーロッパの軍隊でも見られるようになり、身分や装飾を示すためや敵味方の識別の役割を果たしていました。当時のサッシュは上着の上から襷掛けや腰に巻いて着用されるスタイルでした。20世紀に入ってから、特にブラックタイが正式な夜の服装として位置づけられる際、フォーマルなウェストコートの洗練された形としてカマーバンドが採用されるようになりました。

語源

「カマーバンド」という言葉は、1616年にインドから英語に導入されました。この語の起源はペルシア語の「カマルバンド」で、それがヒンドゥスターニー語（ヒンディー語やウルドゥー語）に取り入れられて「カマルバンド」と表現され、最終的にローマ字表記の「kamarband」が英語に変化して現在の「cummerbund」になりました。具体的には「カマル（腰）」と「バンド（帯）」という意味の組み合わせです。かつてはインドの男性が身に着ける腰回りの装飾的な布を指す用語でもありました。

着用方法

カマーバンドは、ブラックタイのドレスコードが必要な場面で上着の下に着用されます。公式な場では通常黒が指定されていますが、軍服などでは赤やオレンジなどさまざまな色があります。最近の軍服の規定では、ブラックタイの際にカマーバンドを、ホワイトタイの際にはウェストコートを着用することが求められることもあります。また、指揮者や演奏者が燕尾服の下にカマーバンドを身につけることも一般的です。

カマーバンドは、しばしば蝶ネクタイとセットで販売されており、同じ色や柄でコーディネートされることが多いです。カマーバンドのデザインには、元々チケットや小物を収納するためのポケットのような機能もあったため、襞が上に向くようにして着用されるのが一般的です。このように、カマーバンドはただの装飾的なアイテムに留まらず、実用性も兼ね備えています。

まとめ

カマーバンドは、フォーマルな場で着用される重要なファッションアイテムであり、その起源や演出方法には多くの歴史的背景が存在します。進化を遂げてきたカマーバンドは、現代のビジネスや社交の場でも、多くのシーンで見られる存在となっています。

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