プロンター

プロンター（Prontor GmbH）は、1902年にドイツのバーデン＝ヴュルテンベルク州、バート・ヴィルトバートのカルムバッハ地区で、アルフレート・ゴーティエとグスタフ・ゴーティエの兄弟によって創業されました。当初の社名はアルフレート・ゴーティエ・カルムバッハ（Alfred Gauthier Calmbach, AGC）であり、このAGCという名称は、同社が製造するレンズシャッターのブランド名としても知られていました。現在、プロンターはオランダの医療機器メーカーであるHittech Groupの傘下となっています。

歴史

プロンターの歴史は、1902年の創業に始まりました。技術者であったアルフレート・ゴーティエとグスタフ・ゴーティエの兄弟は、写真関連の精密機械製造に情熱を注ぎました。

1904年には、プロンターの初期の代表的な製品である三枚羽根のコイロス（Koilos）シャッターが開発されました。このシャッターには、A, G, Cの各文字を組み合わせたメーカーロゴが刻印され、このロゴは同社の象徴となりました。

1910年、会社は法人化され、社名をAlfred Gauthier GmbHと変更しました。これにより、より組織的な運営体制が整えられました。

1912年には、バリオ（Vario）シャッターとプロント（Pronto）シャッターが市場に投入されました。これらのシャッターは、その後のプロンターの製品開発の基礎となりました。

1929年には、バリオシャッターとプロントシャッターが改良され、より性能が向上しました。この改良により、プロンターのシャッターはより信頼性の高いものとなりました。

1931年、プロンターはカール・ツァイスグループに参加しました。この提携は、プロンターの技術力をさらに高める上で重要な役割を果たしました。

1935年には、プロンターの名前を冠したプロンター（Prontor）シャッターが発売されました。この製品は、プロンターの名を広く知らしめることとなりました。

1969年、プロンターは医療機器分野に進出しました。これは、同社の技術力を多様な分野に応用する試みであり、新たな成長の機会となりました。

1976年、カール・ツァイスグループ内でのレンズシャッター製造業務がプロンターに一元化されました。これにより、プロンターはレンズシャッター製造における中心的な役割を担うこととなりました。

プロンターシャッター

プロンターシャッターは、その高い品質と信頼性から、フリードリヒ・デッケルのコンパーシャッターと並び、高級シャッターの代名詞となりました。プロンターシャッターはその信頼性の高さから、他社のカメラに搭載された場合でも、「プロンタータイプのシャッターを採用」といった宣伝文句が使われるほどでした。このことは、プロンターシャッターが業界でどれほど高く評価されていたかを物語っています。

また、日本では、コパル（現日本電産コパル）がプロンターのシャッターを参考に製品を開発していました。

関連項目

• - ハッセルブラッド
• - フォクトレンダー

外部リンク

• - 公式ウェブサイト

プロンターは、レンズシャッターの製造で培った技術力を生かし、医療機器分野でも活躍しています。その歴史は、技術革新と多様な分野への進出の連続であり、今後もその動向が注目されます。

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