プローチダ

プロチダ（イタリア語: Procida）は、イタリア共和国南部に位置するカンパニア州、そのナポリ県に属する基礎自治体（コムーネ）の一つです。ティレニア海に面したナポリ湾の西部に浮かぶ島嶼から成り立っており、主要な島であるプローチダ島と、それに隣接する小さな無人島ヴィヴァラ島の二つによって自治体の領域が構成されています。この自治体には、およそ1万人の人々が居住しています。

地理的に見ると、プロチダはナポリ湾西方の沖合に連なるフレグレア諸島（isole Flegree）の一部を形成しています。これらの島々は、ナポリ近郊に広がるカンピ・フレグレイ（Campi Flegrei）と呼ばれる広大な火山地帯と関連が深く、地質学的にはその活動によって誕生したと考えられています。自治体の中心をなすプローチダ島は、比較的コンパクトな陸地であり、その面積は約3.7平方キロメートルです。島の外周、すなわち海岸線の全長はおよそ16キロメートルにわたります。この海岸線は変化に富んでおり、小さな入り江や断崖、そして港などが点在しています。ヴィヴァラ島はプローチダ島の南西に位置し、細い橋で結ばれていますが、特別な生態系を持つ保護区となっています。

プロチダ島は、独特の美しい景観を持つことで知られています。丘陵地の斜面に沿って密集して建ち並ぶ家々は、パステルカラーの多様な色彩で彩られており、特にマリーナ・グランデやテッラ・ムラタといった地区からの眺めは絵画のように美しいと評されます。長い歴史を持つこの島には、古い教会や城塞（テッラ・ムラタ）などの見どころもあります。

文化的な側面では、プロチダはジュゼッペ・トパト―レ監督のイタリア映画「イル・ポスティーノ」（郵便配達人）の主要なロケ地の一つとなったことで世界的にその名を知られるようになりました。映画の中で描かれた島の素朴で美しい風景は、多くの人々を魅了しました。このように、プロチダはその自然美、歴史的な街並み、そして文化的な繋がりによって、ナポリ湾の中でも特に魅力的な場所の一つとなっています。

周辺地域との関連では、上述の通りフレグレア諸島やカンピ・フレグレイといった地質学的に重要な地域とのつながりがあります。また、湾内にはイスキア島やカプリ島といった他の有名な島々も浮かんでおり、それぞれ異なる魅力を放っています。イタリアの地理の中でも、カンパニア州およびナポリ湾岸地域は豊かな自然と歴史を持ち、プロチダもその一部として重要な位置を占めています。

もう一度検索