プロ野球 ファミスタ2011

プロ野球 ファミスタ2011

『プロ野球 ファミスタ2011』は、2011年3月31日にバンダイナムコゲームスからニンテンドー3DS向けにリリースされた野球ゲームです。このタイトルは、ニンテンドー3DSにおける「ファミスタ」シリーズの最初の作品にあたります。また、ナンバリングタイトルや副題にハードウェア名を冠さない作品としては、Wiiで発売された『プロ野球 ファミリースタジアム』以来、約3年ぶりの登場となりました（傍系の『プロ野球 熱スタ』シリーズを除く）。

ゲームシステムと概要

基本的なゲームシステムは、前年にニンテンドーDSで発売された『プロ野球 ファミスタDS2010』から大きく変わっていません。しかし、ゲームの構成はシンプル化されており、前作に登場した各国代表チームや「レジェンドヒーローズ」「戦国サムライズ」といった架空チームは収録されていません。これに伴い、全体のチーム数や使用できる球場数も削減されています。選手データが記載されたカードは、前作までのイラストから、実際の選手の写真が使用される形式に変更されました。プレイヤー自身の分身となる「マイカード」を作成し、オリジナルの選手を最大20名までチームに加えて試合に出場させることも可能です。

新たに追加された要素

本作には、ゲームプレイをより豊かにするための新要素がいくつか導入されています。特に目立つのは、選手に設定されていたスキルが、これまでの選手固有のものではなく、プレイヤーが自由に選手へ着脱させられるようになった点です。これにより、チーム編成や戦略の幅が広がりました。

アクション面では、投手のモーションに合わせて特定の操作を行うことで、通常の盗塁よりも加速する「ダッシュ盗塁」が登場。また、AボタンとXボタンを同時に押すことで、ジャンプやスライディングの範囲が拡大する「スーパーファインプレー」が追加されました。ただし、このスーパーファインプレーは失敗すると選手が一時的に行動不能となるリスクも伴います。守備時には、LボタンまたはRボタンを押すことで、内野手・外野手の位置を前後に調整する「守備シフトチェンジ」を指示できるようになりました。

ゲームモード

本作の主なゲームモードは以下の通りです。これらの他に、打撃、投球、守備、走塁といった野球の基本的な動きに関する全6種類の課題に挑戦する「トレーニングモード」や、ニンテンドー3DS本体2台とソフト1本で対戦できるローカル通信対戦モード「通信対戦」も収録されています。なお、前作まで対応していたオンライン対戦機能は本作では削除されています。

ドリームペナント: メインとなるモードで、基本的な進行は前作までと同様です。試合の前にナムコキャラクターが登場し、ゲームを有利に進めるためのボーナス（例：ボーナスFPの獲得、パワースイング回数の増加）を提供したり、次の試合で満たすべき特定の条件（例：「2点差で勝利」「完封」など）を提示するイベントが発生することがあります。

プロ野球ペナントレース: 日本野球機構（NPB）に加盟する全12球団の中から任意の1球団を選択し、実際のプロ野球と同様にペナントレースを戦うモードです。リーグ戦120試合と交流戦24試合、合計144試合をプレイします。リーグ編成は固定されており、プレイヤーが自由にチームを組み替えることはできません。レギュラーシーズンで3位以内に入るとクライマックスシリーズに進出し、これを勝ち抜けば日本シリーズへと進みます。試合をスキップして結果だけを確認したい場合は、試合開始前にXボタンを押すことでスキップ可能です。

オープン戦: 1試合限定で手軽に試合を楽しむことができるモードです。ドリームペナントと同様に、試合結果に応じてFP（ファミスタポイント）を獲得できます。

登場チーム

本作には、NPBの12球団に加え、ナムコに関連する2チームが登場し、合計14チームでプレイ可能です。ドリームペナントでは、プレイヤーのデッキレベルに応じて対戦相手のレベルが変化し、30戦終了後の最終戦でレベルに対応した特殊なチームが登場します。

パシフィック・リーグ: 福岡ソフトバンクホークス、埼玉西武ライオンズ、千葉ロッテマリーンズ、北海道日本ハムファイターズ、オリックスバファローズ、東北楽天ゴールデンイーグルス。
セントラル・リーグ: 中日ドラゴンズ、阪神タイガース、読売ジャイアンツ、東京ヤクルトスワローズ、広島東洋カープ、横浜ベイスターズ。
ナムコ関係チーム: ナムコスターズ（レベル：ファーム）、ナムコレジェンズ（レベル：レジェンド）。
ドリームペナント限定チーム: ヤングサンライズ（NPB若手選抜）、アダルトナイト（NPBベテラン選抜）、ジャパンスターズ（NPBベストメンバー）。

ナムコスターズとナムコレジェンズの詳細

ファミスタシリーズの看板チームであるナムコスターズは、本作でメンバーが一新されました。これまでのシリーズにはいなかった『THE IDOLM@STER』のキャラクターが新たに加わったほか、『GOD EATER』など、発売当時比較的最近のタイトルからもキャラクターが参戦し、「世代交代」を印象づける構成となっています。

一方、長年ナムコスターズの中心選手として活躍してきたパックマンやピノといった古参キャラクターたちは、「ナムコレジェンズ（略称：NL）」という新たなチームを結成しました。このチームは、ドリームペナントモードで特定の条件を満たすと最終戦の相手として登場し、勝利することでオープン戦でも使用可能となります。

これらのナムコキャラクターの選手カードは、他のNPB選手の写真とは異なり、原作ゲームをモチーフにしたイラストが描かれています。『ソルバルウ』や『エースコンバット』といったシューティングゲーム由来のキャラクターが投手に設定されている場合、キャラクターではなく、チームカラーに彩られた自機からボールが射出されているようなイラストが描かれています。ただし、ゲーム画面上で選手が表示される際は、通常の野球選手と同様のグラフィックになります。

登場球場

本作で使用できる球場は合計16種類です。前作まで存在したようなゲームオリジナルの奇抜な球場はなくなり、より現実的なオーソドックスな球場が中心となりました。

NPB12球団本拠地球場: 福岡Yahoo! JAPANドーム、西武ドーム、千葉マリンスタジアム（QVCマリンフィールド）、札幌ドーム、京セラドーム大阪、神戸総合運動公園野球場（ほっともっとフィールド神戸）、クリネックススタジアム宮城、ナゴヤドーム、阪神甲子園球場、東京ドーム、明治神宮野球場、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島、横浜スタジアム。
その他の球場:
ピッカリスタジアム: 1986年のシリーズ第1作から登場する、標準的な人工芝の球場です。
かせんじき球場: 『ファミスタ'88』で初登場した、多摩川緑地広場硬式野球場（かつての巨人軍多摩川グラウンド）をモデルとする狭いグラウンドです。トレーニングモードやドリームペナントの特訓イベントはこの球場で行われます。
がいこくパーク: 『ファミスタ'90』の「ふえいふえい」や、『ファミスタオンライン』の「モンスター球場」として登場した、フェンウェイ・パークをモデルにした球場です。レフト側のフェンスが高く、ライト方向への右中間が非常に広くなっています。

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