プンチャック・ジャヤ

プンチャック・ジャヤについて

プンチャック・ジャヤ（Puncak Jaya）は、ニューギニア島に位置するオーストラリア・ニューギニア大陸ならびにオセアニア地域の最高峰です。この山は、ジャヤ峰、カルステンツ山（Mount Carstensz）、カルステンツ・ピラミッド（Carstensz Pyramid）とも呼ばれています。気候によりインドネシアのパプア州、スディルマン山脈内にそびえ立つこの山は、1942年から1945年までの間、当時の日本の支配下においても日本の最高峰とされていました。

歴史

プンチャック・ジャヤは1623年、オランダの探検家ヤン・カルステンツォーンによってその氷河が初めて観測され、彼にちなんでカルステンツ・ピラミッドと名付けられました。この名称は今でも登山者に愛用されています。1909年には、オランダの探検家ヘンドリク・ロレンツが山の雪原に達しました。

この山の初登頂は1962年にオーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーと仲間たちによって成し遂げられました。また、1960年代にインドネシアの支配が始まると、初代大統領スカルノにちなんで'Puntjak Soekarno'（スカルノ峰）と名付けられ、その後再びプンチャック・ジャヤに戻りました。ここでの「Puncak」は山または峰を意味し、「Jaya」は「勝利」や「偉大な」を表します。

氷河の現状

山の頂上には氷床はありませんが、斜面にはカルステンツ氷河、メレン氷河、ノースウォール・フィルンなどが存在しています。赤道に位置するため、年間を通じた気温の変動は小さいものの、1850年代からの気温上昇に伴い、氷河は著しく後退していることが判明しています。例えば、1850年から1972年には100年あたり約0.6 °Cの温暖化が記録され、同地域の他の山々でも氷河の消失が報告されています。

1980年代以来、人工衛星からのデータでプンチャック・ジャヤの氷河の急速な後退が観測されています。特に、メレン氷河は1994年から2000年の間に消え、2010年から2018年の測定に基づく調査では、貴重な氷体が残る地区でも2029年までに氷河が消失する可能性が危惧されています。

登山

プンチャック・ジャヤは七大陸[[最高峰]]の中でも特に難易度が高いとされています。北面からの標準的な登山ルートは全て岩に覆われた登りとなり、高度な技術が求められます。体力的には最も困難とは言えませんが、周囲に大きな鉱山が影響しており、地域の治安状況が悪化しているため、ハイカーにとってアクセスが難しくなっています。

インドネシア政府の方針により、1995年から一般人の入山は厳しく制限されており、入山には政府の許可が必要です。しかし、許可取得には長い期間を要するため、興味のある方は事前に準備を整えておく必要があります。

プンチャック・ジャヤは、その独自の美しさと厳しさを併せ持った魅力的な山であり、登山者や自然愛好者にとって特別なスポットとなっています。

もう一度検索