プールモア

プールモア：ダービーステークス制覇から種牡馬としての成功まで

2008年1月10日生まれのプールモアは、アイルランドで生産されフランスで調教された競走馬です。その名は、2011年のダービーステークス優勝によって、競馬史に刻まれることとなりました。

華々しいデビューからダービー制覇へ

2歳時には、デビュー戦で8着と結果を残せませんでしたが、続く条件戦で見事初勝利を収めます。このレースから、名手ミカエル・バルザローナ騎手が手綱を取りました。その後、2歳シーズンは2戦のみで終え、休養に入ります。

3歳シーズンを迎えたプールモアは、4月のフォルス賞で復帰戦を迎えましたが、5頭立ての最低人気と低評価の中、3着に終わりました。続くグレフュール賞でも6番人気と低評価でしたが、このレースを制し、重賞初制覇を成し遂げます。この勝利を機に、アンドレ・ファーブル調教師は、地元フランスのジョッケクルブ賞ではなく、イギリスのダービーステークスへの挑戦を決断しました。

ダービーステークスでは、エリザベス2世の所有馬であり、ダンテステークス優勝馬であるカールトンハウスが優勝候補として注目を集める中、プールモアは2番人気に支持されました。レースでは、最後方から追走し、最後の直線でも後方に位置していましたが、そこから驚異的な末脚を繰り出し、カールトンハウスやトレジャービーチをまとめて差し切り、優勝を果たしました。

フランス調教馬によるダービー制覇は、1976年のエンペリー以来35年ぶりとなる快挙であり、バルザローナ騎手にとっても、わずか19歳でのダービー制覇という偉業となりました。この勝利により、プールモアは凱旋門賞の最有力候補に躍り出ました。

突然の故障と引退、そして新たな道へ

しかし、凱旋門賞への挑戦は叶いませんでした。8月25日、乗り運動中に左前脚の球節を故障。惜しまれながらも、競走馬としてのキャリアに幕を閉じ、2012年からアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入りすることになりました。ファーブル調教師は、プールモアの引退に際し、「これまで管理した馬の中で最高の一頭」と、その才能を称賛しました。

種牡馬としての成功

クールモアスタッドでの種牡馬生活は順風満帆でした。2017年からは障害競走用種牡馬にも転身し、幅広い活躍を見せています。そして、その産駒からは、2017年の英ダービーを制したウイングスオブイーグルスが登場。父子2代での英ダービー制覇という偉業を達成し、プールモアの血統の素晴らしさを証明しました。

血統と将来

プールモアの血統には、フェアリーステークス勝ち馬のフェリシア（母の半姉の産駒）や、BCジュヴェナイルフィリーズターフ勝ち馬のPizza Bianca（半妹の産駒）など、優れた競走馬が名を連ねています。これらの血統背景も、プールモアの成功に大きく貢献したと言えるでしょう。

プールモアは、競走馬としての輝かしい経歴と、種牡馬としての成功によって、競馬史に名を残す偉大な馬となりました。その活躍は、これからも多くの競馬ファンに語り継がれていくことでしょう。

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