ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント

ヘイズplc：歴史と現状

ヘイズplcは、イギリス・ロンドンに本社を置く、世界的に展開する人材サービス企業です。ロンドン証券取引所にも上場しており、FTSE 250種総合株価指数の構成銘柄にも名を連ねています。その歴史は1867年、テムズ川南岸の波止場と倉庫の運用会社として設立されたことに遡ります。当初は「ヘイズ・ウォーフ」として知られる波止場運営が中心でしたが、その後、様々な事業展開を経て、現在の人材サービス企業へと変貌を遂げています。

創業から人材サービスへの転換

1867年の創業以来、ヘイズは波止場運営から始まり、醸造所運営、不動産事業などを経てきました。1975年にはクウェート投資庁が株式を取得し、その後、不動産資産の売却や食品流通会社買収など、事業ポートフォリオの変遷を繰り返します。1980年代初頭には不動産資産を売却、その後、人材事業への参入を本格化させました。

1986年には人材ビジネス会社であるCareer Care Groupを買収、人材サービス事業を拡大し始めました。1989年には株式公開を果たし、1987年から2001年までCEOを務めたRonnie Frost氏のリーダーシップの下、サービスグループの経営を強化しました。

しかし、2003年には戦略的見直しを行い、人材紹介事業に特化することを決定。それ以外の事業部門を売却し、人材紹介サービスに集中することに経営方針を転換しました。2004年にはDenis Waxman氏がCEOに就任し、メールビジネスを切り離すなど、人材紹介会社としての再編を進めました。

価格操作問題とその後

2009年には、英公正取引局から価格操作に関与したとして、巨額の罰金を科せられました。これは建設業界における人材サービス市場におけるカルテル形成が原因でした。その後、ヘイズは罰金額の減額を求め控訴し、減額されたものの、この事件は同社の歴史における大きな転換点となりました。

世界展開と日本法人

現在、ヘイズは世界33カ国に事業を展開するグローバル企業です。オーストラリア、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、北アメリカなど、幅広い地域で人材紹介、派遣サービスを提供しています。派遣社員と正社員の両方をバランスよく扱っており、ビジネスサイクル全体での安定経営に貢献しています。

日本においては、2001年に設立されたヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社が事業を展開しています。東京、横浜、大阪にオフィスを構え、外資系企業やグローバル企業を中心に、正社員、契約・派遣社員、アウトソーシング、ITソリューションズなど、多様な人材サービスを提供しています。

まとめ

ヘイズplcは、波止場運営から始まった長い歴史の中で、数々の変遷を経て現在の人材サービス企業へと成長を遂げました。価格操作問題といった困難を経験しつつも、世界規模で事業を展開するグローバル企業として、現在もその地位を確立しています。日本においても、ヘイズ・ジャパンが主要な企業として活躍し、日本経済に貢献しています。今後、ヘイズがどのような展開を見せていくのか、注目が集まります。

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