ヘイデン・パッドン

ヘイデン・パッドン：ラリー界のスター、その栄光と挑戦の軌跡

ヘイデン・パッドンは、ニュージーランド出身の、世界的に知られたラリードライバーです。ラリードライバーの父を持つ彼は、6歳からカートを始め、15歳でラリーの世界に足を踏み入れました。若き日の才能は早くから開花し、2006年にはニュージーランドラリー選手権でデビュー、ルーキーカップとジュニアカップを同時に制覇するという快挙を成し遂げます。

その後も国内選手権で活躍を続け、2008年と2009年にはチャンピオンの座に輝きました。さらに、[アジアパシフィックラリー選手権]]のパシフィックカップも制覇し、国際的な舞台での存在感を示しました。[[プロダクションカー世界ラリー選手権]では、2010年に初優勝、2011年には念願のチャンピオンを獲得。才能はWRCへの道を切り開きました。

2012年には、S2000世界ラリー選手権(SWRC)に挑戦。シュコダ・ファビアS2000を駆り2勝を挙げる活躍を見せました。2013年には再び国内選手権に戻り、3度目のチャンピオンに。さらに、スポット参戦したヨーロッパラリー選手権でもその実力を示しました。

そして、2014年、WRCへの挑戦が始まります。ヒュンダイと契約し、世界最高峰の舞台で活躍する機会を得ました。2015年にはWRCにフル参戦。ラリー・イタリアで2位を獲得するなど、存在感を示しましたが、年間ランキングは9位でした。

しかし、パッドンは諦めませんでした。2016年、ラリー・アルゼンチンでWRC初優勝。その後も表彰台に立つなど、トップドライバーとしての地位を確立しました。2017年は、開幕戦でクラッシュ事故に遭い、痛ましい事故を引き起こしてしまいます。コ・ドライバーも交代し、シーズンは8位で終了。2018年もヒュンダイで活躍しましたが、セバスチャン・ローブの加入によりチームを離れることになります。

WRCからの離脱後も、パッドンはラリーへの情熱を失いませんでした。2019年には、国内選手権やAPRCに参戦。Mスポーツ・フォードと契約し、WRC復帰を目指します。しかし、フィンランドでのテスト走行中にクラッシュ。復帰は絶望的となりましたが、諦めずに努力を続け、イギリスとオーストラリアで再びWRCに挑戦します。

2020年は、自身のチーム「パッドン・ラリースポーツ・グループ(PRG)」を設立。電動モータードライブ部門を立ち上げ、EVラリーカーの開発にも取り組むなど、多方面で活躍します。しかし、コロナ禍の影響で、地元ラリーへの参戦は叶いませんでした。

2022年にはWRC2に参戦。ラリー・エストニアでは新型コロナウイルス感染により離脱を余儀なくされましたが、ラリー・フィンランドでは4位で完走し、表彰台に立ちました。そして、母国ニュージーランドではWRC2優勝という素晴らしい結果を残しました。

2023年、パッドンはERC(ヨーロッパラリー選手権)にフル参戦し、見事にチャンピオンに輝きました。12年ぶりの国際タイトル獲得は、彼の不屈の精神と高い実力を証明するものでした。

故ポッサム・ボーンを憧れのドライバーとして挙げ、同い年のオット・タナクのチャンピオン獲得を祝福するなど、パッドンの人間性も垣間見ることができます。WRC、PWRC、SWRC、ERCと、数々の選手権で活躍してきたヘイデン・パッドン。彼の挑戦は、これからもラリー界を熱狂の渦に巻き込むことでしょう。

もう一度検索