ヘイムスクリングラ

ヘイムスクリングラ：北欧王家の壮大な叙事詩

『ヘイムスクリングラ』（古ノルド語: Heimskringla、「世界の輪」の意）は、13世紀のアイスランドの学者、スノッリ・ストゥルルソンによって1220年代から1230年代初頭に編纂されたとされる、ノルウェー王のサガ（物語）を集めたものです。この作品は、北欧の歴史、文化、そして神話を理解する上で、非常に重要な文献とされています。

構成と内容

『ヘイムスクリングラ』は、スノッリによる序文に続き、伝説的なスウェーデンの王家であるユングリング家から始まる16のサガで構成されています。これらのサガは、神話の時代から始まり、10世紀、11世紀を経て、12世紀の歴史へと進んでいきます。各サガは、特定の王の生涯や治世を中心に描かれており、その時代の政治、社会、文化、そして人々の価値観を垣間見ることができます。

以下は、『ヘイムスクリングラ』に収録されている主要なサガの一覧です。

ユングリング家のサガ
ハールヴダン黒王のサガ
ハラルドル美髪王のサガ
ホーコン善王のサガ
灰色マントのハラルドル王のサガ
トリッグヴィの息子オーラーヴル王のサガ
聖オーラーヴル王のサガ
マグヌス善王のサガ
ハラルドル苛烈王のサガ
オーラーヴル平和王のサガ
裸足のマグヌース王のサガ
マグヌースの息子たちのサガ
マグヌース盲王とキリストの僕のハラルドル王のサガ
ハラルドルの息子たちのサガ
肩広のホーコン王のサガ
エルリングルの息子マグヌースのサガ

日本語訳

『ヘイムスクリングラ』は、日本語にも翻訳されており、日本の読者もその内容に触れることができます。主な日本語訳としては、以下のようなものがあります。

日本アイスランド学会編訳 『サガ選集』 東海大学出版会、1991年。
スノッリ・ストゥルルソン 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 （一）』 谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社。
スノッリ・ストゥルルソン 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 （二）』 谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社。
スノッリ・ストゥルルソン 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 （三）』 谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社。
スノッリ・ストゥルルソン 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 （四）』 谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社。

参考文献

『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 （一）』（上記掲載）
パウルソン, ヘルマン『オージンのいる風景 - オージン教とエッダ』大塚光子、西田郁子、水野知昭、菅原邦城訳、東海大学出版会、1995年2月。

外部リンク

ヘイムスクリングラ （古ノルド語）
オンライン古代・中世図書館より、ヘイムスクリングラ （英語）
『春寒』：新字新仮名 - 青空文庫 （日本語） - 寺田寅彦による、『ヘイムスクリングラ』についての随筆

『ヘイムスクリングラ』は、北欧の歴史や文化に興味を持つ人々にとって、必読の書と言えるでしょう。その壮大な物語と、そこに描かれた人々の生き様は、私たちに多くの示唆を与えてくれます。

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