ヘリング (潜水艦)

ヘリング（USS Herring, SS-233）

ヘリング（USS Herring, SS-233）は、アメリカ海軍のガトー級潜水艦の一隻であり、その名はタイセイヨウニシンに由来しています。この艦は1941年7月14日にメイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で起工し、1942年に正式に就役しました。艦長にはアナポリスの1930年組から選ばれたレイモンド・W・ジョンソン少佐が任命されました。

艦歴と哨戒任務

「ヘリング」は、就役後すぐに他の潜水艦と共にヨーロッパ戦線に配備され、最初の哨戒は1942年10月に開始されました。最初の行動では地中海に向かい、トーチ作戦のためにカサブランカに到着。その後、ヴィシー・フランスの輸送船を撃沈し、任務を果たしました。2回目の哨戒ではビスケー湾に送られましたが、接触が少なく、ほとんど成果を上げることができませんでした。

1943年には3回目と4回目の哨戒を行い、主に漁船との接触を持ちながらも敵艦船との遭遇は限定的でした。しかし、5回目の哨戒時に本国帰還の途中での行動がありました。

その後、「ヘリング」は1943年11月から1944年1月にかけて6回目と7回目の哨戒を実施しました。6回目では東シナ海に向かい、複数の日本の船舶を攻撃して撃沈する成果を上げました。この任務では敵艦に対して数度の攻撃を行い、特に病院船を目撃した際の行動が注目されます。

最後の哨戒

1944年5月、「ヘリング」は8回目の哨戒へ出発し、千島列島方面に向かいました。5月31日、同艦は仲間の潜水艦「バーブ」と合流し、敵の輸送船団を攻撃しました。この際、「ヘリング」はいくつかの敵艦を撃沈し、その後、海防艦「石垣」にも攻撃を加えました。

しかし、浮上している最中に触礁してしまい、陸上砲台からの攻撃を受ける結果となります。最終的に「ヘリング」は沈没し、艦長を含む全ての乗員83名が戦死するという悲劇に見舞われました。

戦後の評価と記念

艦の戦績として、「ヘリング」は合計で4隻の日本の船舶を撃沈し、トン数としては19,959トンを記録しました。これにより、彼女は第二次世界大戦で5個の従軍星章を受章しました。さらに、戦後「ヘリング」の記念プレートが設置され、彼女の行った功績は現在でも評価されています。

2016年には、ロシアの調査によって「ヘリング」の残骸が発見され、艦体は良好な状態を保っていることが確認されました。今後の引き揚げ計画についても言及されていますが、現在の進捗は不明です。「ヘリング」はアメリカ海軍の歴史の中で重要な役割を果たした艦として、多くの人々に記憶されています。

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