ヘンリー・ガードナー

ヘンリー・ジョセフ・ガードナーの生涯と業績

初期の経歴

ヘンリー・ジョセフ・ガードナー（1819年6月14日 - 1892年7月21日）は、マサチューセッツ州ドーチェスターに生まれました。父はヘンリー・ガードナー、母はクラリッサ・ホルブルックです。祖父も同名で、彼は教育を受け、アメリカ独立戦争に参加した政治家でした。ガードナーはボストンの私立学校で学び、後にフィリップス・エクセター・アカデミー、さらにボウディン大学を卒業しました。卒業後はボストンで乾物商人としてのキャリアをスタートさせ、1844年にはメイン州ポートランド出身のヘレン・コブと結婚し、3人の子供に恵まれました。

政界への進出

ガードナーは1850年からホイッグ党の支持者としてボストン市評議員に選出され、1853年までその職を務めました。 中道保守派のウェブスターを支持し、党の組織化にも関与していました。しかし、奴隷制度を巡るカンザス・ネブラスカ法に対する反発から1854年にノウ・ナッシングに関わるようになると、その政治的姿勢は一変しました。ガードナーは、党内での奴隷制度に対する姿勢がそこまで急進的ではないとして、ノウ・ナッシングの候補者に選出され、州知事選挙でエモリー・ウォシュバーンに大勝しました。

マサチューセッツ州知事

ノウ・ナッシングが圧倒的に占めた州議会でのガードナーの就任演説は、移民排斥を主題としたものでした。彼の在任中、州では約600件の法案が成立し、幅広い改革が実施されました。主な改革には、破産法の改正、児童労働の制限、女性の財産権の確立、公共施設の整備などがありました。一方で、労働時間の制限に関する法案は成立しませんでした。

移民排斥問題

移民排斥をはっきりと示した政策が施行され、アイルランド系移民の民兵隊が解散され、外国人は公務員になれない規則が導入されました。この結果、困窮した外国人が国外追放されるケースも多く見られました。また、ローマ・カトリック教会の調査でもスキャンダルが報じられ、ノウ・ナッシング党の評判に傷がつくこととなります。

奴隷制度に対する姿勢

1854年に奴隷制度廃止運動が盛り上がる中、ガードナーはその動きに対して慎重な態度をとりました。彼は、逃亡奴隷法の適用を困難にする法案の成立を拒否し、議会の圧力に対抗しますが、最終的には彼の後任知事に撤回される結果となります。

その後の選挙と最後の年

1855年以降、ノウ・ナッシング党は内部で分裂し、ガードナーは1856年に再選。しかし、ノウ・ナッシング党の勢いは次第に衰え、1876年までビジネスに戻ります。彼はハーバード大学から名誉学位を受け、1892年にミルトンで静かに亡くなりました。ガードナーは歴史的な変革をもたらしたものの、その最後の数十年はあまり知られることがなかった政治家でした。

もう一度検索