ヘンリー・バルフォア・ガーディナー

ヘンリー・バルフォア・ガーディナー（Henry Balfour Gardiner, 1877年 - 1950年）は、イギリスの作曲家であり、音楽教師としても活動しました。

ウィンチェスター・カレッジで短期間教鞭を執り、その傍らでイングランドの民俗音楽を蒐集するなど、音楽文化の保存にも貢献しました。しかし、彼の作品数は非常に限られています。

ガーディナーの最も優れた作品として知られているのは、重厚な和声と濃厚なロマンティシズムが特徴的な《夕べの讃歌》（Evening Hymn）です。この作品は、イギリスの合唱曲における古典的なレパートリーとして高く評価されており、今日でも聖公会においては晩祷のアンセムとして定期的に演奏されています。《夕べの讃歌》は、彼の音楽的才能を最も良く示す作品と言えるでしょう。

ガーディナーは後半生において、公的な音楽活動から退き、ドーセットの農場にて植林事業に没頭しました。音楽界から離れ、自然の中で新たな生きがいを見出したのです。この農場は、現在著名な指揮者であるジョン・エリオット・ガーディナーによって管理されています。ジョン・エリオット・ガーディナーは、ヘンリー・バルフォア・ガーディナーの大叔父にあたります。

ヘンリー・バルフォア・ガーディナーの音楽家としての活動期間は比較的短いものでしたが、《夕べの讃歌》をはじめとする彼の作品は、今日においても多くの人々に愛され、演奏され続けています。また、民俗音楽の蒐集や晩年の植林事業など、多岐にわたる活動を通して社会に貢献した人物としても記憶されています。

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