ヘートヴィヒ・フォン・プファルツ＝ズルツバッハ

マリー・ヘートヴィヒ・アウグステ・フォン・プファルツ＝ズルツバッハ（1650年4月15日 - 1681年11月23日）は、プファルツ＝ズルツバッハ家の公女として生まれました。彼女の人生は、二度の結婚とそれに伴う様々な出来事に彩られています。

生涯

プファルツ＝ズルツバッハ公クリスティアン・アウグストと、ナッサウ＝ジーゲン伯ヨハン7世の娘アマーリエの間に長女として誕生。1665年、彼女は前方オーストリア大公にしてチロル州侯であるジギスムント・フランツと代理結婚式を挙げました。しかし、婚礼からわずか3週間後、ジギスムントは急逝。ヘートヴィヒは夫の住むインスブルックへ向かう道中でこの悲報を知り、一度も顔を合わせることなく夫と死別するという不幸に見舞われました。

その後、1668年4月9日にヘートヴィヒはザクセン＝ラウエンブルク公ユリウス・フランツと再婚しました。この婚礼を記念して、彼女の父クリスティアン公はズルツバッハの小教区聖堂内に記念碑を設置しています。最初の婚姻において、ヘートヴィヒは前夫ジギスムント・フランツの実家であるハプスブルク家から2万グルデンの年金を支給される契約となっていました。しかし、年金が支払われなかったため、ユリウス・フランツは神聖ローマ皇帝レオポルト1世のウィーン宮廷に対し、未払い年金の支払いを要求しました。この係争は最終的に示談となり、ヘートヴィヒは1年分の年金を受け取るにとどまりました。

ヘートヴィヒは1681年11月23日に亡くなり、彼女の遺骸はザクセン＝ラウエンブルク公爵家の所領であったシュラッケンヴェルトの白い城館内の納骨堂に納められました。

子女

二番目の夫であるユリウス・フランツとの間に、ヘートヴィヒは3人の娘をもうけました。

1. マリア・アンナ・テレジア（1670年 - 1671年）
2. アンナ・マリア・フランツィスカ（1672年 - 1741年） - 1690年にプファルツ選帝侯子フィリップ・ヴィルヘルム・アウグストと結婚。その後、1697年にトスカーナ大公ジャン・ガストーネと再婚。
3. フランツィスカ・ジビッラ・アウグスタ（1675年 - 1733年） - 1690年、バーデン＝バーデン辺境伯ルートヴィヒ・ヴィルヘルムと結婚。

マリー・ヘートヴィヒ・アウグステ・フォン・プファルツ＝ズルツバッハの生涯は、当時のヨーロッパ貴族社会における結婚、政治、そして相続といった要素が複雑に絡み合ったものであったと言えるでしょう。

参考文献

Theologische Quartalschrift, Band 50, H. Laupp, 1868
Johann Samuel Ersch: Allgemeine Encyclopädie der Wissenschaften und Künste, 2. Sektion, 28. Teil, J. f. Gleditsch, 1851

もう一度検索