ベカバード

ベカバードは、ウズベキスタンのタシュケント州に位置する都市です。首都タシュケントから南へ約115km、シルダリヤ川の岸辺に広がっています。タジキスタンとの国境にほど近く、国境の町ホジェンドからは約33kmの距離です。人口は約12万人と推定されています。

この街は、かつて「ヒルコフ」という名で知られていました。1899年に鉄道が敷設された際、建設責任者であるミハイル・ヒルコフにちなんで命名されたのです。その後、近隣の街ベコヴァと合併し、1945年に「ベゴヴァート」として市が設立されました。1964年には、現在の「ベカバード」に改名されました。ソビエト連邦崩壊後、ラテン文字表記の「Bekobod」が用いられるようになり、現在でもロシア語表記の「Бекабад」をラテン文字に転写した「Bekabad」と表記されることもあります。

ベカバードには、第二次世界大戦後、シベリア抑留で連行された日本人捕虜が収容された悲しい歴史があります。彼らは第288ベカバード収容所で発電所の建設などの労働に従事させられました。

現在のベカバードは、製鉄、セメント製造、水力発電が主要な産業です。シルダリヤ川の水力を利用したファルハド・ダムは、ウズベキスタン国内の重要な電力供給源となっています。1944年に操業を開始したJSCウズベク・メタラージカル・プラント（通称：ウズメトコンビナート）は、中央アジアでも有数の生産量を誇る製鉄所です。また、1926年から操業しているベカバード・セメントOJSCは、国内有数のセメント生産企業であり、2010年当時、2012年には年間約190万トンのセメントを生産すると予測されていました。

教育機関としては、ベカバード第2学校とベカバード第13学校があります。公共施設としては、ベカバード市小児病院が市民の健康を支えています。

スポーツ面では、1945年に創立されたサッカークラブ「PFCメタルルグ・ベカバード」が、ウズベク・リーグに所属し、地元の人々に愛されています。このチームの本拠地もベカバードです。

姉妹都市としては、ポーランドのオストロヴィエツ・スヴィエトクルシスキと提携しています。

外部リンク

ベカバード・セメントOJSC公式サイト（英語）（ロシア語）
PFCメタルルグ・ベカバード公式サイト（ウズベク語）

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