ベサメムーチョ(桂銀淑の楽曲)
「ベサメムーチョ」は、韓国出身の
演歌・
歌謡曲歌手である
桂銀淑(ケイ・ウンスク)によって発表された楽曲です。彼女にとって通算13枚目の
シングルとして制作され、
1995年3月29日に東芝EMIからリリースされました。
楽曲の特徴と商業的な成功
本楽曲の最大の特色は、耳に残るラテン調のリズムを基調とした、その軽快なサウンドにあります。従来の
桂銀淑の楽曲とは一線を画すような、明るく躍動感のあるアレンジが施されています。
商業的な面では、オリコン・
シングルチャートにおいて息の長いヒットを記録しました。発売後、チャートの100位圏内に実に24週間にわたってランクインし続け、ロングヒット作品としての評価を確立しました。この20週を超える長期のチャートインは、
桂銀淑の
シングルとしては、1991年にリリースされた「
悲しみの訪問者」以来となる特筆すべき記録でした。
受賞と評価
チャートでのロングヒットを背景に、「ベサメムーチョ」は第28回全日本有線放送大賞においてベストリクエスト賞を受賞しました。これは、当時の有線放送でのリクエスト回数が非常に多かったことを示しており、楽曲が広く聴衆に支持されていたことの証と言えます。
一方で、この楽曲は主要な音楽賞の受賞には至らず、さらに、前年まで7年連続で出場を果たしていた
NHK紅白歌合戦への選出もこの年をもって途絶える結果となりました。
制作クレジットと収録曲
シングルの表題曲「ベサメムーチョ」は、作詞をFUMIKO、作曲を杉本眞人、そして編曲を
桜庭伸幸が担当しました。
シングルのカップリング曲としては、「いとしいひとの眠る間に」が収録されています。こちらの楽曲は、作詞を
来生えつこ、作曲を杉本眞人、編曲を
若草恵が手がけています。
他アーティストによる展開
本楽曲を作曲した杉本眞人自身も、後にこの曲をセルフカバーしています。2000年8月に「すぎもとまさと」名義で発売された自身のアルバム『かもめの街 〜杉本眞人 作品集〜』に、セルフカバーバージョンが収録されています。
また、日本の歌手である
川上大輔は、2013年2月6日に本楽曲をカバーした作品でメジャーデビューを飾りました。このように、「ベサメムーチョ」は時代を超えて他のアーティストにも歌い継がれています。
この楽曲は、
1995年という特定の音楽シーンの一端を担う作品として、その名を残しています。