ベスタス

ベスタス：世界をリードする風力発電機器メーカー

ベスタス社(Vestas Wind Systems A/S)は、デンマークのオーフスに拠点を置く、風力発電機の設計・製造・販売をグローバルに展開する企業です。ナスダック・コペンハーゲンにも上場しており、世界70か国以上に現地法人を持ち、業界を牽引する存在感を示しています。

1945年から続く歴史：家電から風力発電機へ

ベスタスの歴史は1945年にまで遡ります。創業者のPeder Hansen氏によって、デンマークの小さな町LemでVestjysk Stålteknik A/Sとして設立されました。当初は家電製品の製造からスタートし、その後、農業機械、インタークーラー、油圧クレーンへと事業を多角化。1979年、風力発電機製造へと進出しました。

2003年には、デンマークのNEG Micon社との合併により、現在の社名であるVestas Wind Systems A/Sとなりました。この合併を機に、ベスタスは世界最大の風力発電機メーカーとしての地位を確立しました。現在では世界80か国以上に風力発電機を導入し、2万人以上の従業員を抱える巨大企業へと成長を遂げています。興味深いことに、かつてベスタス社が製造していたインタークーラーは、子会社であるVestas aircoil A/Sによって現在もLemで製造が続けられています。

洋上風力発電への進出：MHIとの協業

ベスタス社は、洋上風力発電分野への進出も積極的に行っています。2014年には、三菱重工との合弁会社であるMHIべスタスオフショアウィンド(MHI Vestas Offshore Wind A/S)をオーフスに設立。この合弁会社は、短期間で洋上風力発電分野におけるトップクラスのシェアを獲得するなど、大きな成功を収めています。

多様な製品ラインナップ：小型から大型まで幅広い機種

ベスタス社は、多様な出力とローター径の風力発電機を製造しています。機種名は、ローター径をメートル単位で示す独自の命名規則が採用されています。例えば、V164-7.0MWはローター径が164メートルで、定格出力7メガワットの機種です。小型のV23-150kWから、大型のV164-7.0MWまで幅広いラインナップを揃え、顧客の多様なニーズに対応しています。一部の機種は、海外市場向けに限定販売されています。

日本における事業展開：メンテナンス、販売、そして未来へ

日本においても、ベスタス社は現地法人であるベスタス・ジャパン株式会社を設立し、北海道から九州まで広範なサービス拠点を展開しています。主に風力発電設備のメンテナンス、部品修理、アップグレードなどのサービスを提供しています。2021年には、MHIべスタスジャパン株式会社が設立され、日本市場におけるベスタス製風力発電設備の販売事業を強化しています。日本の再生可能エネルギー市場において、ベスタス社は重要な役割を担っています。

まとめ

ベスタス社は、長年にわたる技術革新とグローバルな事業展開により、世界をリードする風力発電機器メーカーとして確固たる地位を築いています。今後も、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献するため、技術開発と事業拡大を続けていくことでしょう。その動向から目が離せません。

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