ベスト・デュエット〜タスキーギ

アルバム『ベスト・デュエット〜タスキーギ』の紹介

ライオネル・リッチーが2012年にリリースしたアルバム『ベスト・デュエット〜タスキーギ』は、彼の過去の名曲をカントリー風にアレンジし、著名なカントリーアーティストたちとのコラボレーションを実現した作品です。このアルバムのタイトルは、リッチーの故郷であるアラバマ州タスキーギに由来しており、彼はかつてのインタビューにおいて、「かつてのアラバマではカントリーミュージックがポップミュージックそのものであった」と語っています。

アルバムの構成と特徴

本作には、リッチーがこれまでに発表してきたオリジナル曲が収録されており、各曲はカントリーのアレンジを施されています。例えば、「レイディ」は元々ケニー・ロジャースに提供された作品であり、本作ではロジャース自身が参加しています。また、「ディープ・リヴァー・ウーマン」では、リトル・ビッグ・タウンがコラボレーションを果たしています。日本盤では「エンドレス・ラヴ」のデュエット相手がCrystal Kayに変更され、リッチーは彼女の歌唱について「オリジナルのアーティストのコピーではなく、自分自身のスタイルで挑んできてくれた」と絶賛しています。

商業的成功と評価

アルバムはアメリカ国内で大きな反響を呼び、初週で約19万9千枚を売り上げており、これはリッチーのキャリアの中で最も成功した初動売上の一つです。ただし、Billboard 200ではマドンナのアルバム『MDNA』に次ぐ2位となりましたが、最終的には2週連続で1位を獲得し、リッチーにとっては1986年の『セイ・ユー、セイ・ミー』以来の快挙となりました。さらに、カントリー・アルバム・チャートでも1位を取得。アルバムからのシングル「ディープ・リヴァー・ウーマン」は、カントリー・ソング・チャートで60位にランクインしました。デンマークやイギリスでも良好な成績を残し、特にデンマークでは「セイ・ユー、セイ・ミー」が特に注目を浴びました。

各メディアの評価

評論家からの評価も分かれていますが、オールミュージックのスティーブン・トーマス・アールワインは、アルバムに5点中3点を付け、各トラックがオリジナルと大きく異ならず、メロディが際立っていると評価しました。一方、エンターテインメント・ウィークリーのミカエル・ウッドはAマイナスの評価を与え、特に「スタック・オン・ユー」におけるダリアス・ラッカーとのデュエットを絶賛しました。

収録曲と参加ミュージシャン

アルバムには多くの異なるアーティストが参加しており、リッチー自身のボーカルやキーボードに加え、様々な楽器を演奏するミュージシャンが名を連ねています。収録曲には、「You Are」「Say You, Say Me」「Stuck on You」などがあり、それぞれに著名なカントリーアーティストとのコラボレーションが特徴です。特に日本盤では、Crystal Kayとともに「エンドレス・ラヴ」が収録されており、リッチーの多様な音楽スタイルを感じることができます。

このアルバムは、リッチーのR&Bの魅力をカントリーミュージックの要素と融合させた作品であり、聴く人に感動を与えること間違いありません。

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