セイ・ユー、セイ・ミー

セイ・ユー、セイ・ミー（Say You, Say Me）

「セイ・ユー、セイ・ミー」は、1985年にライオネル・リッチーが作詞・作曲した楽曲で、映画『ホワイトナイツ/白夜』の主題歌として発表されました。リッチーにとっては、ソロ作品としての成功を確立した一曲であり、多くの人々の心に残る名曲となりました。

背景

この曲は、リッチーが映画監督テイラー・ハックフォードからの依頼を受け、主題歌を書くことになった経緯から誕生しました。ハックフォードはリッチーに映画のタイトルに込めた曲を望みましたが、最終的にはそのアイディアとは別のデモ・テープを送ったことで本作が採用されました。ハックフォード自身もこの楽曲に魅了され、ミュージック・ビデオの監督も務めました。ただし、リッチーが当時所属していたレコード会社モータウンは、曲をサウンドトラックに収録することを認めず、映画に合わせてシングルをリリースする形になりました。

陣容

本作に参加した音楽家たちのリストは多彩です。リッチーはボーカルとキーボードを担当し、グレッグ・フィリンゲインズがキーボード及びミニ・モーグ・ベースを演奏しました。さらに、マイケル・ボディカーのシンセサイザー、スティーヴ・ルカサーやティム・メイによるギター、カルロス・リオスのアコースティック・[[ギター]]、エイブラハム・ラボリエルのベースが加わり、音楽的な深みが生まれました。ドラムスはジョン・ロビンソン、パーカッションはパウリーニョ・ダ・コスタが担当し、ストリングス・アレンジにはジェームス・アンソニー・カーマイケルが加わりました。

反響

リリース後、「セイ・ユー、セイ・ミー」はアメリカのBillboard Hot 100で1985年12月21日から4週連続で1位を獲得しました。この曲はリッチーにとってソロ名義での4番目、デュエットも含めれば5番目の全米1位シングルとなります。また、アダルト・コンテンポラリー・チャートで5週、R&Bシングル・チャートで2週にわたって1位を記録しました。スウェーデンやノルウェーでも高評価を受け、スウェーデンでは20週間で10回トップ20入りし、その中で4回1位を達成しました。ノルウェーでは16週連続でトップ10入りし、9週1位を占めました。

評価・影響

本曲は数々の映画賞に評価され、アカデミー歌曲賞とゴールデングローブ賞の両部門で受賞しました。音楽批評家エド・パワーは、2015年に「ライオネル・リッチーのベスト・ソング20」という記事で本作を4位にランクインさせ、その魅力を称賛しました。2017年には、アメリカの映画『ベイウォッチ』のサウンドトラックに採用され、再び注目を集めることとなりました。

別ヴァージョン

さらに、リッチーは2012年にリリースしたカントリー・アレンジのアルバム『ベスト・デュエット〜タスキーギ』でもこの曲を再録音しています。アメリカ盤にはジェイソン・アルディーンとのデュエットが収録され、ヨーロッパ盤と日本盤にはラスマス・シーバックとのデュエットが収められ、デジタルシングルとしてもリリースされました。このリメイクもデンマークのシングル・チャートでトップ40入りを果たすなど、人気を博しました。

「セイ・ユー、セイ・ミー」は、リッチーの豊かな音楽性を示す象徴的な楽曲であり、映画音楽の枠を超えて長く愛される存在となったのです。

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