ベトナム国民党

ベトナム国民党（ベトナム語：Việt Nam Quốc dân đảng）は、中国国民党の強い影響を受けて1927年12月に結成されたベトナムの政党です。1975年のサイゴン陥落とともに解散しました。

歴史

フランスによる植民地支配下にあった1927年12月、ベトナム国民党は誕生しました。結成当初から急速に勢力を拡大し、1929年初めには1500人ものメンバーを擁するまでに成長しました。しかし、その活動は必ずしも順風満帆ではなく、数々の事件や内紛に見舞われました。

1929年2月9日には、党の活動家によるバザン暗殺事件が発生し、社会に衝撃を与えました。国民党の指導者たちは、社会主義的な思想にも理解を示していましたが、土地改革などの農民の生活に直接関わる政策には関心が薄く、農民層との政治的な連携を築くことができませんでした。

1930年2月10日には、党の主導によるイエンバイ蜂起が発生しました。この蜂起はフランス軍によって鎮圧され、党の勢力は一時的に大きく後退しました。さらに、1930年には党内で内紛が発生し、分裂しました。中国に逃れたグループは、ファン・ボイ・チャウ派と合流し、再起を図りました。

第二次世界大戦後、1945年の八月革命によってベトナム民主共和国が成立しました。当時の中国国民党の蔣介石の圧力を受け、ベトミンはベトナム国民党の政府参加を一時的に容認しました。しかし、第一次インドシナ戦争が勃発すると、ベトミンは間もなくベトナム国民党を政府から追放しました。これにより、党は大きな打撃を受け、勢力を大きく失いました。

1954年7月21日にフランスが降伏した後も、ベトナム国民党は南ベトナムに留まりました。その後、1960年11月11日には、1960年ベトナム共和国の軍事クーデター未遂事件に関与し、1962年2月27日には、南ベトナムの独立宮殿爆撃事件を引き起こしました。これらの活動は、南ベトナム政府との対立を深め、不安定な政治情勢の一因となりました。

しかし、1975年のサイゴン陥落により、ベトナム国民党は完全に解散し、その歴史に幕を閉じました。

関連項目

グエン・タイ・ホック：ベトナム国民党の創設者の一人。
イエンバイ蜂起：ベトナム国民党が主導したフランス植民地支配に対する武装蜂起。
中国国民党：ベトナム国民党に大きな影響を与えた中国の政党。
越南民国：ベトナム国民党が目指した国家体制。

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