ベトミン

ベトミン（ベトナム独立同盟会）

ベトミン（Việt Minh）、正式にはベトナム独立同盟会（Việt Nam Ðộc Lập Ðồng Minh Hội）は、1941年に創設され、フランス植民地からの独立を求めて戦った組織です。指導者にはホー・チ・ミンが名を連ね、他にヴォー・グエン・ザップやファム・ヴァン・ドンが共に指導役を果たしました。

歴史的背景

19世紀末から20世紀初頭にかけ、フランスによるインドシナ全域の植民地化が進みました。フランスは厳しい支配を行い、ベトナムの人々は苦境にさらされました。この状況の中、ベトミンの結成は、独立を求める国民的な運動の一環として生まれました。

第二次世界大戦とベトミンの活動

ベトミンは初め、フランス軍を敵とし戦っていました。しかし、1940年に日本がフランスの植民地である仏印に進駐すると、ベトミンは新たな敵として日本軍を見做しました。1941年には、北部バクソンにおいて日本軍に対して蜂起が発生し、地元住民が抵抗しました。また、同年には南部メコンデルタでも大規模な蜂起が起き、革命委員会が権力を掌握しましたが、フランス軍の反撃により鎮圧される結果となりました。

大戦末期、1945年3月には日本軍がフランス軍を制圧し、保大帝がベトナム独立を宣言したものの、ベトミンはそれを日本の傀儡政権とみなし続けました。日本の降伏が決定的になった1945年8月、ベトミンは全国で蜂起し、保大帝を退位させて新たにベトナム民主共和国を樹立しました。

戦後の展開

戦争後、フランス軍は日本からの復帰を果たし、ベトミンとの間で第一次インドシナ戦争が勃発しました。フランスは当初、ベトミンを1年半で全滅させると宣言したものの、戦闘が激化する中、戦局は彼らに有利に進行しました。1946年には、ベトミンは8万の正規軍を擁し、1954年にはフランス軍のディエンビエンフー要塞を完全包囲し、連続した攻撃によって勝利を収めました。

この勝利により、ジュネーヴ和平協定が結ばれ、ベトナムは北側と南側に分割されることになりました。ベトミンは1954年にハノイを占領し、フランス軍の撤退を実現しました。彼らは1955年に任務を達成したとして解散を宣言し、その後、統一国民戦線として「ベトナム祖国戦線」が設立されました。

南ベトナムへの影響

その後、南ベトナムにおいては、アメリカが介入し、選挙での統一を拒絶しました。南部には多くのベトミン支持者が残り、彼らは北ベトナムによってベトコンと呼ばれる解放民族戦線を結成しました。この動きは、南ベトナムの政権やアメリカと激しく対立する事態を引き起こし、ベトナム戦争へと発展していくことになります。

まとめ

このように、ベトミンはベトナムの独立を実現するための重要な組織であり、長い歴史の中で数々の戦闘を繰り広げました。彼らの活動は後のベトナム戦争や国の運命に大きく影響を与えたのです。

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