ベナン・ニジェール鉄道輸送共同体

ベナン・ニジェール鉄道輸送共同体

ベナン・ニジェール鉄道輸送共同体（OCBN）は、ベナン国内の鉄道輸送を担う施設であり、主に北線の運行が行われていました。この鉄道は、コトヌー港からパラクーまでの438kmの距離に及び、ベナン最大の都市と北部の中心地を結ぶ重要な役割を果たしています。東西の線は運休中ですが、北線は現在も機能しており、ニジェールにとっても重要な輸出入ルートとなっています。ニジェールは海を持たない内陸国であるため、この鉄道を通じて経済活動を支えており、ベナンにおける貿易に欠かせない存在です。

歴史の概観

ベナン・ニジェール鉄道輸送共同体の歴史は1912年に始まります。当初はコトヌーからサベーまでの路線が開通し、その後パラクーへと延長されました。1959年には、ベナン（当時はダオメー）とニジェールの自治政府によって「ダオメー・ニジェール鉄道輸送共同体」が設立され、1976年にはニジェールの首都ニアメまでの延長が決定されました。しかし、1978年に着工されたものの資金不足により工事は中断されました。

2006年には旅客サービスを廃止し、以降は貨物専業となりました。2015年にはフランスのボロレグループが出資し、ベナン鉄道へと改組されることとなり、従来のベナン・ニジェール鉄道輸送共同体は消滅しました。

旅客サービスの推移

1996年には年間71.5万人もの旅客が鉄道を利用していましたが、2000年以降は利用者が減少し、最終的には2006年には9.7万人まで落ち込んでしまいました。この急激な低下は、他の交通手段との競争やインフラの老朽化などが影響していると考えられます。

貨物サービスの状況

貨物サービスは1995年には年間38.9万トンの輸送量がありましたが、その後も減少が続き、2011年には年間7万トンまで落ち込んでしまいました。現在は、コトヌーとパラクーの間で1日3便が運行されており、平均所要時間は13〜17時間、表定時速は約30kmとなっています。

路線と主要駅

• - 北線: コトヌー - パラクー 438km
• - 東線: コトヌー - ポベ 107km
• - 西線: コトヌー - セグボロウエ 33km

北線の主要駅にはコトヌー（起点）、アラダ、ボイコン、パラクーなどがあります。また、東線や西線にもそれぞれの停車駅があります。旅客サービスが廃止された今、これらの駅は主に貨物輸送に利用されています。

延長・接続計画

将来的には、東線をポペからオニポロまで延長し、セメント工場と接続する計画がありましたが、資金不足により実現には至っていません。隣国ナイジェリアへのセメント輸出を目的とした鉄道プロジェクトも進行中であり、現在も鉄道の整備や運行の改善が期待されています。最近のAFRICA RAILプロジェクトでは、ベナン、ブルキナファソ、ナイジェリアなどを結ぶシステマティックな接続計画も提案されていますが、その実現には相当な財政が必要とされるでしょう。

このように、ベナン・ニジェール鉄道輸送共同体はその歴史、サービス、将来の計画において多くの興味深い要素を持つ鉄道ネットワークです。

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