ベネチア超特急

『ルパン三世 ベネチア超特急』は、モンキー・パンチ原作の人気アニメ『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』のエピソードを再編集した劇場作品です。1977年11月21日にTV放送された第8話を、35ミリフィルムに拡大し、1978年3月18日、東宝チャンピオンまつりにて上映されました。上映時間は約24分と、コンパクトながらもルパン三世らしいスリリングな展開が魅力です。

本作は、ヨーロッパを横断する超特急列車が舞台。その車内には、犯罪組織のボス、ドン・マルチーノが盗み集めた数々の名画や宝石が積まれています。ルパン三世は、これら全てを強奪しようと企てますが、当然ながら、銭形警部も彼の動きを察知し、列車に乗り込んできます。

物語は、ルパンと銭形警部の息詰まる頭脳戦、そして華麗なアクションシーンが展開します。ルパンの巧みな手口と、銭形警部の執念の追跡。お互いの知略がぶつかり合い、緊張感溢れる展開は、観る者を飽きさせません。さらに、ドン・マルチーノとその手下といったオリジナルキャラクターも登場し、物語に深みを与えています。

主要キャラクターは、おなじみのルパン三世、次元大介、峰不二子、石川五ェ門、そして銭形警部。山田康雄、小林清志、増山江威子、井上真樹夫、納谷悟朗といった豪華声優陣が、それぞれのキャラクターに命を吹き込みます。彼らの個性豊かな演技が、作品の魅力をさらに高めています。

『ルパン三世 ベネチア超特急』は、TVシリーズとは異なる編集が施され、劇場作品として最適化されています。テンポの良い展開と、迫力あるアクションシーンは、大きなスクリーンで観ることでより一層楽しむことができます。また、本作はセガのシューティングゲーム『ルパン三世 THE SHOOTING』の最初のステージとして採用されており、ゲームファンにとっても馴染み深い作品となっています。

スタッフ陣も豪華です。原作はモンキー・パンチ、脚本は今野譲、音楽は大野雄二と、ルパン三世シリーズを支えた実力派が名を連ねています。作画監督は北原健雄、演出は御厨恭輔など、アニメーション制作においても高い技術力が光ります。

主題歌には、お馴染みの「ルパン三世のテーマ」と「ルパン三世 愛のテーマ」が使用されています。大野雄二作曲によるこれらの楽曲は、作品の世界観をさらに盛り上げ、視聴者の記憶に強く刻み込まれることでしょう。

『ルパン三世 ベネチア超特急』は、短いながらも、ルパン三世の魅力が凝縮された傑作です。スリリングな展開、豪華なキャスト、そして美しいアニメーションは、何度観ても楽しめる作品と言えるでしょう。TVシリーズで観たことがある方も、劇場版ならではの迫力を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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