ベノワ・ディヴィッド

ベノワ・ディヴィッドは、カナダのケベック州モントリオール出身の歌手で、1966年4月19日に生まれました。彼は、プログレッシブ・ロック・バンド、ミステリー（Mystery）のリード・ボーカリストとしてそのキャリアをスタートさせました。

2008年、ディヴィッドの音楽人生において大きな転機が訪れます。長年イエスのリード・ボーカリストを務めていたジョン・アンダーソンが健康上の理由でバンドを離れることになり、その後任としてディヴィッドが抜擢されたのです。イエス加入以前、彼はイエスのトリビュートバンド、クロース・トゥ・ジ・エッジ（Close to the Edge）でリード・ボーカルを務めており、その歌唱力は高く評価されていました。

イエスへの加入は、YouTubeにアップロードされていたクロース・トゥ・ジ・エッジの演奏を見たクリス・スクワイアによって見出されたことがきっかけでした。ディヴィッドは、ジョン・アンダーソンの代役として、2008年のイエスのツアーに参加。その後、2009年から2010年にかけてのツアーにも参加し、2009年10月には正式メンバーとしてイエスに加入しました。2011年には、彼をリード・ボーカルに据えたアルバム『フライ・フロム・ヒア (Fly From Here)』がリリースされています。

イエス在籍中も、ディヴィッドはクロース・トゥ・ジ・エッジでの活動を続けていましたが、イエスへの活動が多忙になったため、バンドは活動を休止。その後、ディヴィッドとギタリストのフィル・シャルメタンが脱退し、新たなメンバーを迎えて活動を再開しました。

しかし、2012年2月、ディヴィッドは呼吸器系の問題を抱えていたことが明らかになり、イエスを脱退。彼の後任には、ジョン・デイヴィソンが迎えられました。

ミステリーでは、1999年からミシェル・サン・ペール（Michel St-Père）が率いるバンドのリード・シンガーを務め、アルバム『Beneath the Veil of Winter's Face』（2007年）や『One Among the Living』（2010年）に参加しました。後者では、初めて作詞にも挑戦しています。イエス在籍中や脱退後の療養中もミステリーに在籍していましたが、2014年3月に脱退。後任にはJean Pageauが加入しました。

ディスコグラフィ

イエス
『フライ・フロム・ヒア』 - Fly From Here (2011年)
『イン・ザ・プレゼント〜ライヴ・フロム・リヨン』 - In The Present Live From Lyon (2011年)

ミステリー
Beneath the Veil of Winter's Face (2007年)
One Among the Living (2010年)
『ザ・ワールド・イズ・ア・ゲーム』 - The World is a Game (2012年)
Tales from the Netherlands (2014年)

参加作品
Hamadryad: Safe in Conformity (2005年) ※「Omnipresent Umbra」に参加
Hamadryad: Intrusion (2010年) ※「In My Country」に参加
* Gordon Giltrap and Oliver Wakeman: Ravens & Lullabies (2013年) ※「From the Turn of a Card」に参加

ベノワ・ディヴィッドは、その歌声と音楽への情熱で、多くのファンを魅了し続けています。

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