ベヘン酸

ベヘン酸は、炭素数22の直鎖飽和脂肪酸であり、ワサビノキから採れるモリンガ油に約9%含まれています。その名前は、モリンガの根が収穫されるイラン暦のバフマン月に由来します。

特徴と供給源

ベヘン酸は、菜種油やピーナッツ油などの食用油にも含まれています。特に、アブラナやピーナッツの種子だけでなく、殻にも存在しており、ピーナッツ殻1トンあたり約6kgのベヘン酸が得られます。

生理作用と注意点

食用油の成分としては、オレイン酸などと比較して消化吸収されにくい性質があります。生物学的利用能は低いものの、血中コレステロール値を上昇させる可能性があるため、過剰な摂取には注意が必要です。

用途

ベヘン酸は、その特性から様々な用途に利用されています。

食品：ショートニングの原料として、食品の食感や風味を向上させる目的で使用されます。
工業：整髪料などの化粧品に配合され、髪に潤いを与えたり、スタイリングを容易にする効果があります。

化学的性質

ベヘン酸のカルボキシル基を還元すると、ドコサノールという化合物が得られます。ドコサノールは、抗ウイルス薬や保湿剤などの用途に用いられます。

まとめ

ベヘン酸は、天然の植物油に含まれる脂肪酸であり、食品や工業製品に幅広く利用されています。適量を摂取する分には問題ありませんが、血中コレステロール値への影響を考慮し、過剰摂取は避けるようにしましょう。

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