ベルサイユのばら (宝塚歌劇)

ベルサイユのばら

『ベルサイユのばら』は、宝塚歌劇団が誇る人気ミュージカルであり、フランス革命を背景にした愛と友情の物語です。原作は、池田理代子による同名の漫画で、初演は1974年に行われました。この作品は、宝塚の舞台でも特に人気を博し、通算上演回数は1500回を超えたり、観客動員数500万人を記録したりしたことでも知られています。

概要

初演時の演出は俳優の長谷川一夫が担当し、脚本は宝塚の専属脚本家である植田紳爾によるものです。初めは上演反対の意見もありましたが、いざ上演されると大成功を収めました。この作品の影響により、停滞していた宝塚歌劇団の人気が再燃し、以降は「宝塚歌劇団」の代名詞とも言える存在になりました。また、オスカルとアンドレというカップルの物語は、特に多くの観客に愛されています。

長谷川の死後も、植田が脚本・演出を引き継ぎ、最近では谷正純も演出陣に加わっています。また、2008年からは池田理代子が新たに書き下ろしたストーリーによる『外伝 ベルサイユのばら』も上演されています。

あらすじ

物語は、貴族のオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェが主人公です。彼女は父親によって男性として育てられ、成長して近衛隊に加わります。オスカルの側には、平民出身のアンドレがいて、彼はオスカルの幼馴染であり、忠実な護衛です。

フランスの情勢が悪化する中、オスカルとアンドレの間には複雑な感情が芽生えます。オスカルは、貴族である自身の立場と平民としてのアンドレの立場の相違に悩むことになり、最終的に彼に愛の告白をしますが、彼は戦場で負傷します。

物語は、フランス革命のさなか、オスカルがバスティーユ監獄への攻撃に立ち向かい、運命に抗って戦う姿を描きます。その中で、アンドレはオスカルを守るために命をかけ、オスカルは彼の死を受け入れざるを得なくなります。最終的には、オスカルもまた命を落としてしまいます。

その他のキャスト

物語には、オスカルの親友であるマリー・アントワネットや、彼女に恋するスウェーデン貴族のフェルゼンも登場します。彼らの間の緊迫したロマンは、物語のメインテーマの一つとなります。

音楽

『ベルサイユのばら』の魅力の一つは、その音楽です。植田が作詞を手がけた楽曲は、情感豊かで、観客の心に深く響くものとなっています。特に「愛あればこそ」や「我が名はオスカル」といった楽曲は、作品の象徴ともなっているほどです。

影響と受容

この作品は、宝塚歌劇団以外にも多くの文化に影響を与えており、オリジナルの舞台作品としての価値はもちろん、映像化や他のメディアでの展開もなされていることがその証拠です。

『ベルサイユのばら』は今もなお、多くの人々に愛され、宝塚歌劇団の歴史の中で欠かせない作品となっています。

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