ベルサリエリ

ベルサリエーリ（Bersaglieri）

ベルサリエーリは、イタリア陸軍における特異な歩兵部隊であり、1836年にアレッサンドロ・ラ・マルモラ将軍の提案に基づいて創設されました。この部隊は、サルデーニャ王国のピエモンテ地方を起源としており、その設立当初から偵察や先遣任務の遂行、また戦列歩兵の支援など、典型的な軽歩兵としての役割を担ってきました。一般的にベルサリエーリは狙撃隊員や狙撃兵とも訳されますが、イタリア海軍においても「ベルサリエーレ」として名付けられた艦艇があります。

特徴と訓練

この部隊の隊員は、敵地域での孤立した状況においても適切に行動できるよう、特別な訓練を受けます。その訓練の主な目的は、敵に対する不意打ちや妨害、さらには敵の計画を挫くことです。隊員が身につける軍帽やヘルメットには、ヨーロッパオオライチョウの黒い羽が飾られており、独特の外見が特徴的です。また、彼らはパレードにおいて独自の駆け足行進を行うことで知られています。

近年では、ベルサリエーリ部隊はその強力な自律性と戦闘能力によって評価されており、自らの任務に対して強い意志と仲間意識を持って臨んでいます。この部隊の理念には、マルモラ将軍による「十戒」と呼ばれる心得が含まれており、隊員はこれを厳守しています。具体的には、服従、敬意、武器の知識、訓練の重要性、仲間や家族への思いやり、そして祖国への誇りを持って行動することが求められています。

歴史的背景と構成

ベルサリエーリの歴史の中で、1847年には教皇領に「ベルサリエーリ・デル・ポ」が創設されました。彼らは第一次イタリア独立戦争に参加し、活躍しましたが、1849年にローマ共和国が崩壊した際に解隊されてしまいました。

現在、イタリア陸軍内には6つのベルサリエーリ連隊が存在し、それぞれの連隊は様々な戦闘任務を遂行しています。ここには、ガリバルディ・ベルサリエーリ旅団をはじめとする多様な部隊が含まれます。各連隊はいずれも名誉ある勲章やメダルを受けており、2012年には金メダル12個、銀メダル11個、銅メダル28個、騎士十字章9個を誇っています。特に、ガリバルディ・ベルサリエーリ旅団には、戦術支援を行う部隊が配置され、連携を深めています。

解隊された部隊とその影響

かつて存在していた多くのベルサリエーリ連隊も解隊の運命を辿りました。中でも、第2ベルサリエーリ連隊から第21ベルサリエーリ連隊まで、さまざまな部隊が歴史の中で活動していましたが、現在は解散してしまっています。これらの部隊は、イタリアの軍事史における重要な役割を果たし、今なおその精神は現役の部隊に引き継がれています。

結論

ベルサリエーリは、イタリア陸軍における独特の歩兵部隊として、その名声を築いてきました。その訓練、理念、歴史には深い意味があり、イタリアの軍事力の一翼を担う存在です。彼らの活躍は、今後もイタリアの防衛において重要な役割を果たしていくことでしょう。

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