ベルトラン (トゥールーズ伯)

ベルトラン・ド・トゥールーズの生涯と業績

ベルトラン・ド・トゥールーズ（Bertrand de Toulouse、約1065年 - 1112年4月21日）は、トゥールーズ伯および初代トリポリ伯として歴史に名を刻んだ中世の貴族です。彼はその父、トゥールーズ伯レーモン4世の長男として生まれ、父が第1回十字軍に参加した後、1095年にはトゥールーズの統治を引き継ぐこととなりました。

トゥールーズの統治と追放

ベルトランは1095年から1098年にかけて、父のレーモン4世が十字軍に出征している間、トゥールーズを治める立場にありました。しかし、その政権は長く続かず、1098年から1100年にかけては、従姉妹のフィリッパとその夫であるアキテーヌ公ギヨーム9世によって一時的に追放されることになります。フィリッパとギヨーム9世はトゥールーズを奪取し、地域の権力を掌握しました。

その後、1100年にフィリッパとギヨーム9世は聖地への遠征に資金を提供するため、トゥールーズを抵当にベルトランに返却しました。これにより、彼は再びトゥールーズの統治を取り戻すことが可能となります。

トリポリへの進出

1105年には父レーモン4世が死去し、ベルトランは正式にトゥールーズ伯となりました。その数年後の1108年、彼はトリポリの支配を目指し、同地に向かいました。1109年7月12日、彼はレーモン4世の甥であるギヨーム・ジュルダンをトリポリ伯の名目から追放し、エルサレム王ボードゥアン1世およびジェノヴァ艦隊と連携してトリポリを攻略しました。

結婚と家族

ベルトランは1095年6月にブルゴーニュ公ウード1世の娘エレーヌと結婚しました。この結婚は中世における貴族同士の連携を強化するものであり、彼の家系においても重要な意味を持ちました。彼が生涯を全うする1112年まで、トリポリの支配権を確保し続けました。

後継者と遺産

ベルトランの死後、彼の息子ポンスがトリポリ伯の座を継ぎ、異母弟のアルフォンス・ジュルダンがトゥールーズ伯となりました。しかしこの時点で、トゥールーズは再びフィリッパとギヨーム9世の手に戻ることとなりました。ベルトランの生涯は十字軍の動きと密接に関連しており、彼の業績や影響は中世の騎士道や貴族社会において重要な位置を占めています。

参考文献

• - Asbridge, Thomas S. (2000). The Creation of the Principality of Antioch, 1098-1130. The Boydell Press.
• - Bouchard, Constance Brittain (1987). Sword, Miter, and Cloister: Nobility and the Church in Burgundy, 980–1198. Cornell University Press.
• - Venning, Timothy (2015). A Chronology of the Crusades. Routledge.
• - William of Puylaurens (2003). The Chronicle of William of Puylaurens: The Albigensian Crusade and its Aftermath. The Boydell Press.

もう一度検索