トゥールーズ伯

トゥールーズ伯に関する詳細

トゥールーズ伯（フランス語: comte de Toulouse、オック語: comte de Tolosa）は、フランス南部のトゥールーズおよびその周辺地域を治めた中世の貴族です。この伯爵位は源流をたどると、9世紀にまでさかのぼります。彼らは期間を通じて、地域の政治、経済、軍事において重要な役割を果たしました。

歴史的背景

トゥールーズ伯の歴史は、12世紀初頭の宗教的緊張から始まります。1208年、教皇特使のピエール・ド・カステルノーが暗殺された事件を契機に、異端に対抗するためのアルビジョア十字軍が結成されました。この戦争は、特にラングドック地方を大きく荒廃させ、地元の貴族であるレーモン6世が破門される結果となりました。1213年に行われたミュレの戦いでの敗北は彼の運命をさらに困難にし、1215年には伯爵の財産が没収される事態に至りました。

同年にシモン・ド・モンフォールがトゥールーズを占領しましたが、その後1218年のトゥールーズ包囲戦で戦死し、レーモン6世は再び伯領を取り戻します。しかし、カタリ派の抵抗が続く中で、レーモン7世が1222年に伯位を継いだ後も状況は改善しませんでした。

1226年にはレーモン7世も破門され、彼の領地はフランス王に帰属することが決定しました。王ルイ8世は軍を率いてこの地域を制圧し、1229年のモー条約においてレーモン7世はローヌ川以西の領地を譲渡し、彼の娘ジャンヌはルイ9世の弟アルフォンスと結婚することに同意しました。この協定により、トゥールーズ伯領は結局フランス王領として献上されることとなりました。

トゥールーズ伯の系譜

トゥールーズ伯は複数の王朝によって治められてきました。以下はその主要な系譜です：

• - ルエルグ伯家

- レーモン1世（852年 - 865年）
- レーモン6世（1194年 - 1222年）
- レーモン7世（1222年 - 1249年）

• - カペー家

- フィリップ3世（1271年 - 1285年）

また、レーモン7世の死後、彼の後を継いだジャンヌとアルフォンスは1271年にともに亡くなります。このため、トゥールーズ伯領はフランス王国に編入され、以降の権力はフランス王に集中しました。

影響と遺産

トゥールーズ伯は、その地域において富と権力を持ち、文化や教育の振興にも寄与しました。彼らの統治時代は、特に中世末期からルネッサンスの幕開けにかけての重要な時期であり、この地域の歴史に深く影響を与えました。

トゥールーズ伯の統治により、宗教的対立や政治的な陰謀はフランス南部の住民に影響を及ぼし、結果的にフランス全土の歴史に大きな影響を与えた地域の一つとして記憶されています。

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