ベルナルド (イタリア王)

ベルナルド（797年 - 818年）は、カロリング朝の血を引くイタリア王です。父はイタリア王ピピンで、ベルナルドは庶子として生まれました。

生涯

810年に父ピピンが亡くなると、ベルナルドは祖父であるカール大帝の宮廷に引き取られ、アーヘンで養育されました。当時のイタリアの統治は、カール大帝の側近であったアーダルハルトに委ねられました。その後、ベルナルドはカール大帝の命によりフルダ修道院に送られますが、すぐに呼び戻されます。812年にはイタリアの統治を任され、翌813年には正式にイタリア王としての地位を与えられました。

814年にカール大帝が崩御すると、ベルナルドの叔父であるルートヴィヒ1世が単独皇帝として即位し、ベルナルドのイタリア王としての地位を改めて承認しました。しかし、817年にルートヴィヒ1世が発布した「帝国整序令」によって、ベルナルドの運命は大きく変わります。この整序令は、ルートヴィヒ1世の長男ロタールを共同皇帝とし、次男と三男をそれぞれアクイタニアとバイエルンの王とするもので、ベルナルドの存在は無視されました。ベルナルドが統治するイタリアは、ロタールの帝国の下に置かれることになったのです。

この決定に不満を抱いたベルナルドは、叔父ルートヴィヒ1世に対して反乱を起こしますが、この反乱は鎮圧されました。ベルナルドは捕らえられ、目をえぐられるという過酷な刑を受け、それがもとで818年に亡くなりました。彼の短い生涯は、カロリング朝の権力闘争の犠牲となったと言えるでしょう。

ベルナルドには息子ピピンがおり、ピピンはヴェルマンドワ伯となりました。彼の男系子孫は、12世紀初頭までヴェルマンドワ伯の地位を継承し、ヴェルマンドワ家として歴史に名を残しました。ベルナルドの血筋は、その後も長く続いたのです。

参考文献

五十嵐修『地上の夢 キリスト教帝国 カール大帝の〈ヨーロッパ〉』講談社、2001年
成瀬治 他 編 『世界歴史大系 ドイツ史 1』 山川出版社、1997年
* 瀬原義生 『ドイツ中世前期の歴史像』 文理閣、2012年

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