ベルファニー

株式会社ベルファニー：広島県福山市の地場スーパーの盛衰

株式会社ベルファニーは、広島県福山市を中心に食品スーパーマーケットを展開していた企業です。かつては広島県東部において老舗スーパーとして知られていましたが、2003年に全店舗を閉店し、その歴史に幕を閉じました。

沿革

ベルファニーのルーツは、1910年に創業した食肉加工販売業に遡ります。その後、東京に拠点を移し、1938年に日山商会を設立。福山には福山支店が設置されました。1954年、福山日山商会として日山商会から独立。1959年には福山市内初の本格的なスーパーマーケットを開業しました。

1974年には、社名を「ファニー」に変更。「ファンシー」と「サニー」の合成語で、電通に依頼して採用されました。しかし、衣料・食品関係で類似した社名が存在し、顧客からの混同を避けるため、1990年に発祥の地であるベル店の「ベル」を冠した「ベルファニー」に社名を変更し、ロゴマークも一新しました。

最盛期の1993年には、25店舗を展開し、売上高は約173億円を記録。株式上場も視野に入れていましたが、その後の経営は厳しさを増していきます。

衰退の要因

ベルファニーは、出店当初は有利な立地を確保していましたが、モータリゼーションの進展とともに、駐車場が狭い、売場面積が小さいといった問題が顕在化しました。郊外の大型店や競合他社との競争激化も重なり、売上高は減少の一途を辿ります。2002年3月期には、2期連続の最終赤字を計上する事態となりました。

業績回復のため、遊休資産の売却や店舗の業態転換を実施。中心市街地の小型店舗をコンビニエンスストアに、郊外の店舗をディスカウントストアに、一部店舗を高級食材を強化したスーパーマーケットに転換しましたが、効果は限定的でした。

終焉

2003年3月、ベルファニーは営業継続を断念し、全13店舗を閉店。フレスタが受け皿会社として設立したベル・フレスタに営業権を譲渡しました。ベル・フレスタは、一部店舗をフレスタとして営業を再開しましたが、ベルファニー本体は5月に特別清算を申請。2005年4月には破産手続きに移行し、その歴史に幕を閉じました。

ベルファニーの破産は、地方スーパーマーケットが時代の変化に対応することの難しさを示す事例として記憶されています。

過去の店舗（一部）

木之庄店
蔵王店
サンプラザ店
胡町店
本庄店
春日店
松永店
向島店
沖野上店
霞店
川口店
府中南店
ベル店
三原江南店
三吉店

その他

本部には惣菜・生めんの工場があり、店舗に供給していました。
* 元社長の鍋島喜八郎は、福山商工会議所副会頭を務めていました。

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