ベルリン天文台

ベルリン天文台の歴史と業績

ベルリン天文台は、ドイツの天文学研究において重要な役割を果たしてきた天文台です。その起源は1700年、ブランデンブルク科学協会（後のプロイセン科学アカデミー）の設立にまで遡ります。当初、協会は独自の天文台を持っていませんでしたが、ゴットフリート・キルヒのような私設天文台で観測を行う天文学者が所属していました。

初期の観測所と予算確保

1711年には最初の観測所が設置され、暦の計算によって予算を確保していました。しかし、1825年にヨハン・フランツ・エンケが所長に任命されると、状況は大きく変わります。エンケは、アレクサンダー・フォン・フンボルトの協力を得て、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世から本格的な天文台建設の予算を獲得することに成功しました。ただし、この予算獲得には、週に2晩、天文台を市民に公開するという条件が付いていました。

新天文台の建設と移転

新天文台は、著名な建築家カール・フリードリヒ・シンケルの設計により1835年に完成しました。この天文台は、ベルリンの郊外に建てられましたが、都市化が進むにつれて観測条件が悪化しました。そのため、1913年には天文台はポツダムのバーベルスベルクへと移転しました。

ベルリンに残る天文台

移転後も、ベルリンにはいくつかの天文台が残っています。これらの天文台は、それぞれ異なる目的や歴史を持っており、天文学の普及や研究に貢献しています。

ヴィルヘルム・フェルスター天文台 (IAUコード: 544)
アルヒェンホルト天文台 (IAUコード: 604)
ウラニア天文台 (IAUコード: 537)
ブルーノ・H・ビュルゲル天文台

ベルリン天文台の歴代所長

ベルリン天文台は、数々の著名な天文学者を輩出してきました。彼らの貢献によって、天文学の進歩に大きく貢献しました。

特筆される観測記録

ベルリン天文台では、数々の重要な観測記録が残されています。特に有名なものを以下に示します。

1837年: ヨハン・フランツ・エンケが土星のA環にあるエンケの間隙を発見。
1838年: ヨハン・ゴットフリート・ガレが土星のC環を発見。
1846年: ヨハン・ゴットフリート・ガレとハインリヒ・ルイス・ダレストが、ユルバン・ルヴェリエの計算に基づいて海王星を発見。この発見は、理論天文学の力を示す画期的な出来事でした。
1866年～1900年: アルトゥル・アウヴェルスが、恒星カタログ「Fundamental-Catalog für Zonenbeobachtungen am Südhimmel und südlicher Polar-Catalog für die Epoche 1900」を編纂。これは、南半球の星の位置を精密に記録したもので、天文学研究に大きく貢献しました。

これらの観測記録は、ベルリン天文台が天文学の発展に果たした重要な役割を物語っています。ベルリン天文台は、現在も天文学の研究と普及に貢献しており、その遺産は後世に引き継がれています。

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