ベルリン-ハンブルク線

ベルリン-ハンブルク線：ドイツを代表する高速鉄道路線

ベルリン-ハンブルク線は、ドイツの首都ベルリンと北部最大の都市ハンブルクを結ぶ、全長約286kmのドイツ鉄道の路線です。ドイツ初の高速化路線として知られ、最高速度230km/hで運行されるICE（Intercity-Express）などの高速列車が、両都市間を約1時間半で結んでいます。

歴史

1846年に開業したベルリン-ハンブルク線は、当初9時間を要していました。しかし、技術革新と路線の改良を経て、現在では大幅な時間短縮が実現しています。路線の建設は、当時の複数の国や地域が関わる複雑な背景の中で進められました。プロイセン王国、自由ハンザ都市ハンブルク、デンマーク国王が統治する公爵領などが協力し、1841年には経路と関税に関する条約が締結されました。

建設工事は1844年に始まり、ピーク時には1万人もの労働者が動員されました。1846年には全線が開業し、ベルリンとハンブルクが鉄道で結ばれました。開業当初は4両の蒸気機関車と客車が用意され、年間約50万人が利用しました。

高速化の歴史

1930年代には、シーネンツェッペリンやフリーゲンダー・ハンブルガーといった革新的な車両が登場し、速度向上に貢献しました。シーネンツェッペリンは試験走行で230km/hの世界記録を達成しましたが、実用化には至りませんでした。一方、フリーゲンダー・ハンブルガーは、ベルリン-ハンブルク間を2時間18分で結び、当時の世界最高記録を樹立しました。

しかし、第二次世界大戦の影響で高速化計画は中断され、戦後は東西ドイツの分断により、路線も分断されました。東西ドイツ国境を跨ぐ区間が生じ、運行に支障をきたすようになりました。

ベルリンの壁崩壊後、1990年代にはベルリン-ハンブルク線の高速化工事が本格的に開始されました。当初は磁気浮上式鉄道の建設も検討されましたが、経済的な理由から見送られ、既存路線の改良に重点が置かれることになりました。

1991年から始まった高速化工事では、全線の複線化、電化、自動列車保安装置の設置などが行われました。1997年には電化が完了し、ICEの運行が開始されました。2004年には更なる高速化工事が完了し、所要時間は約1時間半に短縮されました。

第二次世界大戦後の東西分断の影響

第二次世界大戦後、ベルリン-ハンブルク線は東西ドイツ分断の影響を大きく受けました。路線は分断され、東西ドイツ国境を跨ぐ区間が生じました。東ドイツでは、ソ連への賠償のために単線化された区間もありました。

西ドイツと西ベルリンを結ぶ回廊列車は、東ドイツの重要路線として運行されましたが、国境管理や迂回区間の存在により、所要時間は大幅に増加しました。東西ドイツ間の貨物列車の本数も制限され、ハンブルク地区の輸送力は低下しました。

ベルリンの壁崩壊後

ベルリンの壁崩壊後、ベルリン-ハンブルク線は再び東西を結ぶ重要な路線としての役割を取り戻しました。高速化工事が進められ、所要時間は大幅に短縮されました。

近郊路線

ベルリンとハンブルクの近郊路線も整備されており、Sバーンなどが運行されています。ベルリン近郊では、ナウエン方面への路線が運行されており、ハンブルク近郊では、Sバーンがベルゲドルフやアウミューレまで延伸されています。

今後の見通し

今後は、ベルリンSバーンの延伸が計画されており、更なる利便性の向上が期待されています。

ベルリン-ハンブルク線は、ドイツの歴史と技術革新を象徴する路線であり、これからもドイツの交通を支える重要な役割を担っていくでしょう。

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