ベルント・フォン・アルニム (駆逐艦)

Z11 ベルント・フォン・アルニム：ドイツ海軍の駆逐艦

Z11 ベルント・フォン・アルニムは、ドイツ海軍が1930年代に建造した1934A型駆逐艦の一隻です。その艦名は、第一次世界大戦中に活躍したドイツ海軍の軍人、ベルント・フォン・アルニムに由来します。

艦歴

1935年4月26日、ベルント・フォン・アルニムは起工され、1936年7月8日に進水しました。そして、1938年12月6日に正式に就役し、ドイツ海軍の一員となりました。

第二次世界大戦の開戦時、ベルント・フォン・アルニムはバルト海に配備されていました。その後、イギリス沿岸への機雷敷設作戦に参加するなど、初期の作戦行動に従事しました。1939年11月には、戦艦シャルンホルストとグナイゼナウが出撃する際、途中まで同行し、護衛の役割を果たしました。

1940年4月、ベルント・フォン・アルニムは、ドイツ軍によるノルウェー侵攻作戦に参加しました。この作戦では、ナルヴィク攻略部隊に加わり、他の9隻の駆逐艦と共に重要な役割を担うことになります。4月8日、ナルヴィクへ向かう途中で、イギリスの駆逐艦グローウォームと交戦しました。

翌4月9日、攻略部隊はナルヴィクのあるオフォトフィヨルドに進入しました。この際、ベルント・フォン・アルニムは、駆逐艦ヴィルヘルム・ハイドカンプ、ゲオルク・ティーレと共に、ナルヴィク占領の先鋒を務めました。ナルヴィク港には、ノルウェーの海防戦艦2隻が停泊していました。ベルント・フォン・アルニムは、このうちの1隻であるノルゲに対し雷撃を行い、これを撃沈しました。もう1隻のアイツヴォルは、ヴィルヘルム・ハイドカンプによって撃沈されました。

4月10日、ナルヴィク港に停泊中のドイツ艦艇に対し、イギリス駆逐艦による攻撃が行われ、第一次ナルヴィク海戦が勃発しました。バランゲンフィヨルドに停泊していたベルント・フォン・アルニムとゲオルク・ティーレは、退避中のイギリス駆逐艦と交戦し、ハーディ、ホットスパー、ハンターを大破させるという戦果を挙げました。ハーディは海岸に乗り上げ、ホットスパーはハンターと衝突し、その結果ハンターは沈没しました。ベルント・フォン・アルニム自身も、この海戦で5発の命中弾を受けるなど、大きな損害を被りました。また、この海戦で、ドイツ軍は駆逐艦2隻を失うこととなりました。

4月13日、イギリス海軍は再び攻撃を仕掛け、第二次ナルヴィク海戦が発生しました。この海戦で、ドイツ軍は駆逐艦8隻全てを失うという壊滅的な打撃を受けました。ベルント・フォン・アルニムは、最終的にロンバクスフィヨルドで自沈処分となりました。

まとめ

ベルント・フォン・アルニムは、第二次世界大戦の初期に活躍したドイツ海軍の駆逐艦でした。ノルウェー侵攻作戦におけるナルヴィク海戦では、重要な役割を果たし、大きな戦果を挙げましたが、その一方で、イギリス海軍の攻撃により、最終的には自沈という結末を迎えました。その短い生涯の中で、多くの戦闘に参加し、駆逐艦としての役割を全うした艦艇でした。

参考文献

* 世界の艦船 2006年10月号

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