ベレス＝マラガ・トラム

ベレス＝マラガ・トラム

ベレス＝マラガ・トラム（スペイン語: Tranvía de Vélez-Málaga、英語: Vélez-Málaga Tram）は、スペインのアンダルシア州・マラガ県に位置するベレス＝マラガとトーレ・デル・マール海岸を繋ぐトラム路線でした。全長は約6キロメートルで、2006年に運行を開始しましたが、わずか6年後の2012年にはその運行を休止しています。

歴史

ベレス＝マラガはおおよそ8万人の人口を抱え、特に夏にはトーレ・デル・マール海岸や歴史ある旧市街が観光客で賑わう町です。2003年には、アンダルシア州とEUが資金を提供して、町と海水浴場を結ぶ4.8キロメートルのトラム路線の建設が始まりました。そして2006年10月11日に運行が始まりましたが、その中心部には直接乗り入れていなかったため、乗客はベレス＝マラガの郊外でバスからトラムに乗り換える必要がありました。

開業時期には、ベレス＝マラガの中心とトーレ・デル・マールを結ぶ直行バスも同時に運行を開始しましたが、これがトラムの乗客数に影響を与え、2007年には890,000人の利用者があったものの、2011年には676,000人まで減少してしまいました。トラムの延伸工事も行われ、2008年には中心部への1.2キロメートル延伸が実施され、総延長は6分に達しました。

具体的には、運行会社はベレス＝マラガ市議会に対して運行資金の補助を求めましたが、市議会はこれを承認しませんでした。また、2011年の選挙において国民党が市議会の第一党となり、トラムへの資金提供も減少することになりました。そして、2012年6月4日、運行は正式に休止されてしまいました。

車両

このトラム路線では、CAF社製の超低床型車両「Urbos 2」が使用されていました。Urbos 2は連接された5つの車体から成り立っており、全長は31メートルです。3編成の車両の価格は516万ユーロにのぼりましたが、2012年に運行が終了したため、これらの車両はオーストラリアのシドニーにリースされることとなりました。シドニーでは、2014年3月からメトロ・ライト・レールとして運行が開始されました。

メトロ・ライト・レール側は、CAFから新たにUrbos 3を購入する計画があり、この際にはUrbos 2がスペインに返却される予定です。また、Urbos 2はビトリア＝ガステイス・トラムや、セビリアのメトロ・デ・セビリア、アンタルヤ・メトロ（トルコ・アンタルヤ）でも利用されている車両です。

ベレス＝マラガ・トラムは短命に終わりましたが、その建設や運行の試みは地域の交通インフラとして興味深い一例です。

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