ビトリア＝ガステイス・トラム

ビトリア＝ガステイス・トラムの概要

ビトリア＝ガステイス・トラム（Tranvía de Vitoria-Gasteiz）は、スペインのバスク自治州、アラバ県に位置するビトリア＝ガステイス市内で運行されているトラムです。このトラムは2008年12月23日に開業し、現在、合計12.8kmの路線距離を持つ2つの路線、イバイオンド線とアベチュコ線が運行されています。バスク鉄道によって所有されるエウスコトレン・トランビアが管理しており、同じくバスク地域で運行されるビルバオ・トラムと並ぶ重要な交通機関です。

歴史的背景

トラムの初めての路線であるイバイオンド線は、アングレマ駅からイバイオンド駅を結ぶもので、2008年の開業とともに都市の公共交通システムの一部として機能しています。続いて、2009年5月にはアベチュコ線が開通し、途中で分岐してアベチュコ駅に至るルートが追加されました。このプロジェクトの総建設費は1億1,300万ユーロに達し、資金の内訳はバスク自治州が約9,160万ユーロ、アラバ県が1,120万ユーロ、ビトリア＝ガステイス市が同様に1,120万ユーロを負担しています。

運行形態

ビトリア＝ガステイス・トラムは、郊外では専用軌道を走行し、都市の中心部では交通と併用する形で運行されています。このトラムでは、乗客は紙の切符または磁気カードを利用でき、料金は2012年時点で乗車ごとに1.25ユーロ、磁気カードによる利用は0.66ユーロとなっており、ゾーン制は採用されていません。

路線詳細

イバイオンド線

この路線は、市内の主要スポットを結び、イバイオンド駅までの直通運行を行っています。

アベチュコ線

アベチュコ線は、イバイオンド線から分岐し、アベチュコ駅へと向かうルートです。両路線は、地域内での移動を便利にするために設計されています。

車両について

運行されている車両は、スペインのCAF社が製造したUrbos 2です。この車両は、ビルバオ・トラムでも使用されているUrbos 1の改良版で、最高速度は50kmから70kmに向上し、車両数も3両から5両に増加しました。また、従来の部分低床式から完全低床式へと変更され、バリアフリーに配慮した設計となっています。具体的には、車両の長さは25mで定員は192人（おおよそバス3台分）、座席数は50席です。この超低床型車両は、ハンディキャップのある乗客でも乗り降りしやすく設計されており、五両に8つの扉が配置されています。停留所に到着する際には音楽や車内放送が流れ、乗客にとって快適な移動体験を提供しています。車両の外観は、エウスコトレン・トランビアのコーポレートカラーである灰色と緑色が施されています。

他都市での展開

Urbos 2は、ビトリア＝ガステイス・トラムに限らず、ベレス＝マラガトラムやセビリアのメトロ、アンタルヤ・トラムなどの他の都市交通システムでも使用されています。CAF社は2011年から次世代モデルUrbos 3の製造を開始し、すでにグラナダやカディスを含む他の都市でも運行が開始されています。

延伸計画

将来的には、ビトリア市内の南方への延伸が計画されています。具体的には、レンフェ（スペイン国鉄）のビトリア駅を越えてバスク大学（UPV/EHU）のビトリア・キャンパスまで達する予定となっています。これにより、学生やスタッフの利便性が向上し、さらなる地域発展が期待されています。

参考情報

ビトリア＝ガステイス・トラムは、地域の交通インフラを支える重要な役割を果たしており、都市の発展と住民の移動の効率化を促進しています。

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