ベレロフォン (戦艦)

ベレロフォン (HMS Bellerophon)

ベレロフォンは、イギリス海軍が建造したベレロフォン級戦艦の一隻です。20世紀初頭のイギリス海軍の主力艦として、重要な役割を果たしました。

艦歴

ベレロフォンは、1906年12月6日に起工され、1907年7月27日に進水しました。その後、艤装工事を経て1909年2月20日に就役し、本国艦隊の第1戦艦戦隊に編入されました。当時のイギリス海軍は、ドイツ海軍との建艦競争の最中にあり、ベレロフォン級戦艦は、その競争におけるイギリス側の切り札の一つでした。

1911年5月26日、ベレロフォンは演習中に巡洋戦艦インフレキシブルと衝突するという事故に見舞われました。幸いにも大きな損傷には至りませんでしたが、この事故は、当時の海軍における艦隊運動の難しさを物語る出来事でした。

1914年8月1日、第一次世界大戦の勃発に伴い、ベレロフォンは第4戦艦戦隊に編入されました。8月27日には、スカパ・フローへ向かう途中でオークニー諸島沖において、汽船セント・クレア (SS St Clair) と衝突するというアクシデントが発生しました。しかし、この衝突による損傷は軽微であり、作戦行動に支障をきたすことはありませんでした。

1915年5月、ベレロフォンは修理のためデヴォンポート工廠に入渠しました。この修理期間を利用して、いくつかの改良工事も行われたと考えられています。

第一次世界大戦中、ベレロフォンは、1916年5月31日から6月1日にかけて行われたユトランド沖海戦に参加しました。この海戦において、ベレロフォンは62発の12インチ砲弾を発射しましたが、敵艦からの命中弾を受けることはありませんでした。ユトランド沖海戦は、イギリス海軍とドイツ海軍が直接対決した唯一の大規模な海戦であり、ベレロフォンにとっても、その艦歴における最大のハイライトでした。

1919年、ベレロフォンは予備役となりました。第一次世界大戦の終結後、イギリス海軍は保有する艦艇の整理を進め、ベレロフォンもその対象となりました。そして、1921年11月に売却され、1923年に解体されました。第一次世界大戦を生き抜いたベレロフォンでしたが、その役割を終え、鉄屑として姿を消すことになりました。

ベレロフォンの生涯は、20世紀初頭のイギリス海軍の隆盛と、第一次世界大戦という激動の時代を象徴するものでした。

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