ベンガル・アジア協会

ベンガル・アジア協会（The Asiatic Society）

ベンガル・アジア協会は、1784年にウィリアム・ジョーンズによって創設された、アジア研究を目的とする学術機関です。設立当初は「Asiatick Society」という名称でしたが、1825年に「The Asiatic Society」、1936年には「The Royal Asiatic Society of Bengal」と改称され、1951年からは現在の「The Asiatic Society」という名称になりました。協会の所在地は、コルカタのパークストリートにあります。

歴史

1784年、ウィリアム・ジョーンズは、アジア研究に関心を持つコルカタ在住のイギリス人有力者に向けて、協会設立の提案を行いました。この呼びかけに応じた30名が最高裁判所の部屋に集まり、協会の設立が決定されました。ジョーンズは設立の趣旨を説明し、協会が正式に発足しました。初期の会員には、チャールズ・ウィルキンズやアレクサンダー・ハミルトン（アメリカの政治家アレクサンダー・ハミルトンのいとこ）といった著名な人物が名を連ねていました。

協会は当初、裁判所の部屋を会合場所として利用していましたが、1796年9月には独自の建物を取得することになり、副会長のJ.H.ハリントンが現在の場所を選定しました。1784年から1828年まで、会員はヨーロッパ人限定でしたが、1829年にH.H.ウィルソンの主導によってインド人会員が迎え入れられました。これには、ドワラカナート・タゴール、シブチャンドラ・ダス、マハラジャ・バイディヤナス・ロイ、マハラジャ・ブンワリ・ゴビンド・ロイ、ラジャ・カリクリシュナ・バハドゥール、ラジチャンダ・ダス、ラム・カムル・セン、プラサンナ・クマール・タゴールなどが含まれます。

1832年には、ラム・カムル・センが現地事務局長（'Native Secretary'）に就任し、1885年にはラジェンドララル・ミトラが最初のインド人会長となりました。

ライブラリ

アジア協会のライブラリは、会員からの寄贈品を基盤として、様々な言語の10万冊を超える書籍と8,000冊以上の雑誌を所蔵しています。また、地図、マイクロフィッシュ、マイクロフィルム、絵画、写真など、多様な資料も収集されています。最も古い書籍は、占星術師ジュリアス・フィルミクス・マテルヌスの著書で、1499年に出版された「Astronomicorum Libri」です。さらに、18世紀末から19世紀初頭にインドで印刷された書籍も多数保存されています。

博物館

1796年には、会員による博物学的収集物を展示する博物館設立の提案が行われ、1808年にはインド政府がチョウリンギー・パークストリートに施設を提供しました。1814年には、ナサニエル・ウォーリッチの主導によってコレクションが急速に拡大し、1840年には目録が作成されました。博物館職員の給与は、1833年まで協会が負担していました。この博物館は、後にインド博物館へと発展しました。

参考文献

Chakrabarty, R. (2008). The Asiatic Society:1784-2008, An Overview in Time Past and Time Present: Two Hundred and Twenty-five Years of the Asiatic Society Kolkata: The Asiatic Society, pp.2-24
Mitra, S.K. (1974). The Asiatic Society, Calcutta: The Asiatic Society.

外部リンク

Asiatic Society - Banglapedia
Asiatic Society of Bengal - Scholarly Societies Project
The Asiatic Society official website
Scanned volumes of the Journal of the Asiatic Society

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