ベンジャミン・バトン 数奇な人生

映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の概要

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』（原題: The Curious Case of Benjamin Button）は、2008年に公開されたアメリカのファンタジー・ドラマ映画です。F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を元にした本作は、エリック・ロスとロビン・スウィコードが脚本を執筆し、デヴィッド・フィンチャーが監督を務めました。本作では、フィンチャーと主演のブラッド・ピットが『セブン』や『ファイト・クラブ』に続くタッグを組んでいます。映画は、第81回アカデミー賞で作品賞を含む13部門にノミネートされ、美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞を受賞しました。

ストーリー

物語は、ある男の生涯を描いています。彼は80歳の形で生まれ、時が経つにつれてどんどん若返っていくのです。物語は2005年のニューオーリンズから始まります。生命の終わりを迎えた老女デイジーは、自身の人生の記録である日記を娘キャロラインに読んでもらうように頼みます。その日記にはベンジャミン・バトンという男の特異な人生がつづられていました。

1918年、ニューオーリンズで第一次世界大戦の終結を迎えたその日、赤ん坊は老人のような姿で老人施設の前に置き去りにされます。彼を見つけた施設の経営者である黒人夫婦、クイニーとティジーは驚きながらも彼を育てることに決めます。物語の舞台は、彼が若さを失わず成長する様子を追いかけます。

1930年、若返り続けるベンジャミンは施設でデイジーと出会い、互いに惹かれ合いますが、彼の外見が彼らの愛を阻む要因となります。彼は17歳になり、世界を知るために旅に出る決意をします。それからの彼の人生は、船乗りとしての仕事や、恋愛、そして戦争という波乱に満ちたものでした。

戦争が終わった後、26歳となった彼はデイジーと再会しますが、彼女は都会で洗練された存在に成長しており、すれ違いの中で彼らの関係は一時的に疎遠になります。その後の複雑な運命を経て、再び結ばれる二人は、ついに家庭を持つことになります。しかし、ベンジャミンは若返り続けることに対する不安を抱え、次第に彼の精神状態も影響を受けるようになります。

最終的には、彼は幼児の姿になり、最期には老婆のデイジーに抱かれながらこの世を去ります。運命に翻弄された二人の物語は、愛と喪失、時間の流れの中での人間関係の不思議さを描いています。

キャスト

本作には、ブラッド・ピット（ベンジャミン・バトン役）やケイト・ブランシェット（デイジー・フューラー役）など、豪華なキャストが揃っています。その他にも多くの役者が出演し、それぞれの個性的な演技で物語に深みを与えています。

制作と興行成績

映画はルイジアナ州ニューオーリンズを主なロケ地にし、2006年から撮影が始まりました。撮影には約150日を要し、高度な視覚効果が要求される場面も多くありました。音楽はフランスの作曲家アレクサンドル・デスプラが手がけ、映画に感情的な深みを加えています。

公開に際しては大変な注目を浴び、興行的にも成功を収めました。アメリカ合衆国とカナダでの公開初日に高い興行収入をマークし、最終的には全世界で約3億3千万ドルの興行収入を上げました。また、批評家からも評価を受け、複数の賞にノミネートされ、多くの観客に感動を与えた作品となりました。

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