ベンチェー省

ベンチェー省

ベトナムのメコンデルタ地方に位置するベンチェー省は、その美しい自然と豊かな資源で知られています。省都はベンチェー市で、ホーチミン市の南西約86kmに位置しています。この地の名前は、ベトナム語の「Bến（停泊所）」とクメール語の「Treay（魚）」が組み合わさってできたとされています。

気候

ベンチェー省は熱帯モンスーン気候に属しており、雨季（5月から10月）と乾季（11月から4月）がはっきりしています。年間平均降水量は1,250mmから1,500mmで、年間平均気温は摂氏26度から27度と、温暖な気候です。

地理

メコンデルタ地方を構成する13の省の一つであるベンチェー省は、主に二つの三角州から成り立っています。ティエンザン省の一部を除いて、他の省とは陸地で接していません。肥沃な土地にはココナッツの森林が広がり、果樹園や水田などの農業が盛んです。また、淡水魚やエビなどの水産物も豊富で、シーフードは観光客に人気があります。

隣接行政区画

チャーヴィン省
ヴィンロン省
ティエンザン省

行政区画

ベンチェー省は、以下の行政単位に区分されます。

市（Thành phố）
ベンチェー市（Bến Tre）
県（huyện）
バーチー県（Ba Tri）
ビンダイ県（Bình Đại）
チャウタイン県（Châu Thành）
チョラック県（Chợ Lách）
ゾンチョム県（Giồng Trôm）
モーカイバク県（Mỏ Cày Bắc）
モーカイナム県（Mỏ Cày Nam）
タインフー県（Thạnh Phú）

歴史

ベンチェー省は、ベトナム戦争中に枯葉剤の被害を受けた地域の一つです。また、当時ベンチェー共産党の党首であったグエン・チ・ディン率いる女性部隊が、アメリカ軍と戦ったことでも知られています。

経済

ベンチェー省の一人当たりのGDPは、メコンデルタ地方の平均の90%とやや低めです。しかし、農業や水産資源が豊かなことから、今後の経済成長が期待されています。

観光

ベンチェー省では、メコン川クルーズをはじめとするエコツーリズムが人気を集めています。観光収入は年間20%の割合で増加しており、観光地としての注目度が高まっています。ホーチミン市からは、ミトーを経由してアクセスするのが一般的です。かつては、ミトー中心部からベンチェー中心部までフェリーと路線バスを乗り継いで約1時間かかりましたが、2009年1月19日にラックミエウ橋が開通したことにより、フェリーの運航は中止されました。

関連項目

ベトナムの地方行政区画

外部リンク

ベンチェー省政府（ベトナム語/英語）

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